電荷が反対の粒子間に斥力が働く状況を実現~量子アルゴリズムの新たな応用~

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2022-02-28 京都大学

通常電荷の正負が同じ粒子の間には斥力(反発し合う力)、正負が反対の粒子の間には引力(引っぱり合う力)が働くことが知られています。ところが最近、このような「電荷の正負が反対の粒子間には引力が働く」という「常識」が、特殊な状況下では必ずしも成り立たないということが指摘されていました。

本多正純 基礎物理学研究所助教、谷崎佑弥 同助教、伊藤悦子 理化学研究所協力研究員、菊池勇太 ブルックヘブン国立研究所研究員(現・Cambridge Quantum Computing Japan研究員)らの研究グループは、シュウィンガー模型と呼ばれる1次元量子系において、電荷が反対の粒子間に斥力が働く状況を、数値シミュレーションにより実現することに成功しました。これは量子計算機で用いられるアルゴリズム(量子アルゴリズム)の新たな応用であり、通常の方法では解析が困難だった初期宇宙の時間発展屋、有限密度領域における初期宇宙の相構造などの重要な問題の理解に貢献していくことが期待されます。

本研究成果は、2022年1月14日に、国際学術誌「Progress of Theoretical and Experimental Physics」に受理版原稿がオンライン掲載されました。最終校閲版は、3月1日にオンライン掲載される予定です。

電荷が反対の粒子間に斥力が働く状況を実現~量子アルゴリズムの新たな応用~
図:通常では電荷の正負が反対の粒子には引力が働くが(左)、逆に斥力が働く状況が起こりうる(右)

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:本多正純
研究者名:谷崎佑弥

1701物理及び化学
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