国立天文台

1701物理及び化学

「もうすぐ星が生まれる場所」を含む野辺山電波地図の完成

重水素の割合が星の誕生時に最大になることを利用して星が生まれそうな現場の特定に成功しました。昨年、 「もうすぐ星の生まれる場所」のカタログを発表しましたが、今回、野辺山45m電波望遠鏡を使って、これらの近辺を含む「電波地図」を完成させたのです。 その結果、オリオン座大星雲の西側にあるフィラメント状の分子雲に、もうすぐ星が生まれそうな場所が2か所あることなどが分かりました。
1701物理及び化学

惑星のゆりかごに降り積もる灰~天空の「降灰」現象の発見~

原始惑星系円盤内のガスと成長する塵の両方の運動を考慮した3次元の磁気流体力学シミュレーションを、「アテルイII」を用いて世界で初めて行いました。塵が円盤中心の原始星に落ちることなく成長する新しいメカニズムを発見しました。シミュレーションの結果、原始惑星系円盤の内側で大きく成長した塵は、円盤から垂直に吹き上がるガス流によって巻き上げられることが示されました。そしてその後、塵は遠心力によってガス流から分離し、最終的には円盤の外縁部に降り積もるようすが明らかになったのです。このメカニズムは、火山の火口から放出された噴煙、「降灰」によく似ており「天空の降灰現象」と名付けました。
1701物理及び化学

太陽型星のスーパーフレアから噴出する巨大フィラメントを初検出

京都大学のせいめい望遠鏡をはじめとした複数の望遠鏡による連携観測で、若い太陽型星で発生したスーパーフレアに伴って巨大フィラメントが噴出しているようすが初めて捉えられました。若い頃の太陽がどのようにして地球や火星の大気に影響を及ぼし、生命の生存環境が作られていったのかという疑問を解く糸口となる可能性があります。
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1701物理及び化学

銀河団の「向かい風」が作る超淡銀河

数百から数千もの銀河からなる銀河団は高温ガスに満ちており、その中を移動するメンバー銀河は高温ガスを「向かい風」のように受けています。この「向かい風」が、銀河団に数多く存在する淡く広がった矮小銀河 (超淡銀河) の形成に大きな役割を果たしている様子が、すばる望遠鏡の広視野画像などを用いた研究から明らかになりました。
1701物理及び化学

eQ受信機ファーストライト受信に成功

30~50 GHzの偏光観測が可能な高感度・広帯域eQ 受信機を新たに開発し、2021年11月25日に 野辺山宇宙電波観測所45m鏡へ搭載、天体からの輝線を検出する事に成功しました。
1701物理及び化学

銀河系の果てに多様な有機分子を発見!~アルマ望遠鏡が捉えた銀河系最外縁部の赤ちゃん星~

アルマ望遠鏡による観測から、天の川銀河(銀河系)の最も外側の領域にこれまで知られていなかった原始星(赤ちゃん星)が発見されました。さらにこの星を、水や複雑な有機分子を含む化学的に豊かな分子ガスが取り巻いていることも明らかになりました。
1701物理及び化学

国立天文台が撮影した2021年11月19日の部分月食

2021年11月19日、最大食分が0.978という「ほぼ皆既」の部分月食が起こりました。国立天文台天文情報センターは、東京都にある三鷹キャンパスで部分月食のライブ配信と撮影を行いました。当夜の東京地方の天候は曇りがちで、月は雲の隙間からときおり姿を現すような状況でしたが、ライブ配信と撮影を完遂することができました。
1504数理・情報

すばる望遠鏡×異常検知 AI が捉えたへんてこな銀河たち

「異常検知 AI」を用いて、すばる望遠鏡で得た大量の銀河画像の中から特異な性質を持った希少銀河を検出することに成功しました。
1701物理及び化学

アルマ望遠鏡、124億年前の星形成銀河にフッ素を検出

アルマ望遠鏡を用いて遠方にある銀河NGP-190387を観測し、この銀河に含まれる大きなガス雲の中から、フッ化水素が放つ電波を検出しました。124億年前の宇宙の様子を見せてくれています。星は寿命が尽きると中心部で形成された元素を放出すること、この銀河が宇宙誕生後14億年という早い時代にあったものであることを考え合わせると、フッ素を生み出した星の寿命が短かったことを意味しています。
1701物理及び化学

原始惑星系円盤のリング構造が惑星形成の歴史を残している可能性を示唆

スーパーコンピュータ「アテルイII」のシミュレーションから、原始惑星系円盤に見られる塵(ちり)のリング状構造が、惑星の存在だけではなく、惑星が移動した足跡でもある可能性が明らかになりました。これまでの原始惑星系円盤の観測結果に、新たな視点を与える研究成果です。
1701物理及び化学

アルマ望遠鏡、130億年前の銀河に水分子を発見、銀河SPT0311-58を観測し一酸化炭素分子と水分子が放つ電波を検出。

アルマ望遠鏡の観測により、宇宙初期の巨大な銀河から水が検出されました。イリノイ大学のシュワーニ・ジャルギュラ氏らの研究チームは、約130億年前の時代にある銀河SPT0311-58を観測し、一酸化炭素分子と水分子が放つ電波を検出しました。
1701物理及び化学

アルマ望遠鏡、銀河が星の材料を失うメカニズムに迫る

アルマ望遠鏡を使っておとめ座銀河団を観測し、銀河団内の星の材料の高解像度調査を完了しました。この研究の主目的は、宇宙物理学の長年の謎である「何が銀河の星形成活動を停止させるのか」という問題に取り組むことです。本研究は、宇宙の極限環境が銀河に深刻な影響を与えていることを示す、これまででもっとも明確な証拠となるものです。
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