自然災害や交通事故から人々を守り、安心安全な街づくりを支援するデジタルツインを活用したユースケースを開発

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2023-06-13 Hexagon Safety, Infrastructure & Geospatial division;富士通株式会社

Hexagon Safety, Infrastructure & Geospatial division(注1)(以下 Hexagon)と富士通株式会社(注2)(以下 富士通)は、2022年6月に締結した提携に基づき、災害に強い安心安全な街づくりを支援するため、デジタルツイン技術を活用し、自然災害の被害を予測し可視化するユースケースと交通事故の危険性が高いスポットなどを改善策とともに提示するユースケースを共同開発しました。今後、行政・自治体、道路サービス事業分野のお客様と実証実験を行い、2023年度中に本ユースケースのグローバル展開を目指します。

自然災害の被害を予測し可視化するユースケースでは、降水量データから洪水氾濫の範囲や影響を計算することで浸水範囲を可視化し、被害予測分析を行う予測モデルを共同開発するとともに、分析した被害予測をもとに両社が地域の災害対策本部や災害拠点病院における災害対応計画の策定などを支援します。

また、交通事故の削減に寄与するユースケースでは、交通量や道路設計などの要因から衝突事故が発生しやすい危険性の高いスポットを特定したのち、改善策を提案するアプリケーションを両社で共同開発し、行政・自治体、道路サービス事業会社の都市計画担当者や道路管理者における交通計画の策定などを支援します。

これらのユースケースは、2023年6月12日(米国太平洋標準時間)にHexagonがラスベガスで開催するグローバルカンファレンス「HxGN LIVE Global 2023」で発表します。

これまでの両社の取り組み

両社は、世界的な持続可能性の課題解決に向け、ドイツのミュンヘン市など複数の都市で実施してきたシェアド・モビリティの実証実験を経て、2022年6月に、デジタルツイン技術領域での提携を発表しました。本提携により、CO2削減や、リアルタイムでの交通情報や災害時の状況把握などといった、持続可能性に関する社会課題を解決するユースケースの構築や、ユースケースを実現するためのソリューションの提供を行っています。

さらに、2022年11月には、両社で構築した都市環境最適化に向けた意思決定を支援するデジタルツイン・プラットフォーム「Urban Digital Twin ソリューション」を活用し、ドイツのシュトゥットガルト市(注3)の「Urban Digital Twin project」の支援を開始しました。

ユースケースの概要

ユースケース1:自然災害の被害を予測し可視化

(例)高度な洪水予測による災害状況の可視化
(Copyright)OpenStreetMap contributors
(例)高度な洪水予測による災害状況の可視化

(例)施設被災予測状況を一元管理(被災施設や人数の集計などを報告し対策を検討)
(Copyright)OpenStreetMap contributors
(例)施設被災予測状況を一元管理(被災施設や人数の集計などを報告し対策を検討)


自然災害から人々や社会インフラを守る対策の強化が求められており、医療、交通、エネルギーや環境などの複数の領域にまたがるデータを連携させ可視化することが重要です。両社は、富士通の高度なコンピューティング技術およびソフトウェア技術を誰もが容易に利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」と、Hexagonのリアルタイムな地理空間アプリケーション「M.App Enterprise」を活用し、富士通の「デジタルリハーサル(注4)」技術を用いて、災害の脅威やそれに対応するための対策の効果をデジタルツイン上で事前に検証し、最適な施策を探索します。

最初の取り組みとして洪水予測モデルと降水量データにより、高度な洪水氾濫計算を行い、可視化するだけではなく、災害拠点病院のインフラ被害予測、災害対応計画の策定、損害額の推定など、医療、金融、公共、流通といったそれぞれの業界が持つ課題・ユースケースを想定し、支援します。

今後、サービス化に向けて、本ユースケースを基に様々なお客様と実証実験を行い、得られた知見を活用し機能強化を図っていきます。さらに、気温や雨量を観測する気象IoTセンサーや天気予報サービスと連携して、異常気象や自然災害発生時の安全な避難経路の確保やインフラ保護の支援を目指します。

ユースケース2:交通事故削減に寄与

(例)交通事故データの可視化・分析

(Copyright)OpenStreetMap contributors
(例)交通事故データの可視化・分析

世界保健機関(WHO)がまとめた2022年の調査レポート(注5)によると、交通事故によって年間5千万人が重症を負い、135万人が命を落としています。事故の多くは、スピード超過、不適切な道路案内や道路環境が原因となっています。こうした事故を減らすためには、事故が多発する場所を可視化するとともに、要因分析を行い、解決策を提案することが重要です。

両社は、Hexagonの可視化ツール「M.App Enterprise」と富士通の「Fujitsuマネージドインフラサービス」を組み合わせて、交通事故が多発している場所を可視化し、交通量、道路設計や道路標識、およびその他の要因を分析することで、国際道路評価プログラム (International Road Assessment Programme:iRAP)が提案する交通事故削減に向けた改善策「Road Safety Toolkit」に準じた交通事故削減に寄与する改善策を提示するアプリケーションを開発しました。

例えば、交通量が少ないのに事故が多発しているスポットには、スピードを規制する、注意喚起の看板を設置する、ガードレールにより歩行者と車両の通行区分を分けるなどといった複数の改善策を費用対効果とともに提示可能なため、これらを行政・自治体、道路サービス事業会社の都市計画担当者や道路管理者へ提案し、導入時にコンサルティングサービスを実施することで、交通事故削減や安心安全な街づくりに貢献します。

President of government, transportation, defense and security for Hexagon’s Safety, Infrastructure & Geospatial division, Mladen Stojic(ムラデン・ストジック)のコメント

富士通との提携は都市に利益をもたらし続けています。Hexagonは富士通と協力して、理想の未来を実現するための支援ツールを都市に提供できることを誇りに思っています。公害、交通渋滞、洪水など、社会に悪影響を及ぼす要因を監視し、災害による被害を軽減することで、都市部の持続可能性と居住性の向上に貢献していきます。

富士通株式会社 執行役員 Senior Executive Vice President 高橋美波のコメント

このたび、富士通の掲げる「Fujitsu Uvance」の「Trusted Society」の実現のための大きな一歩として、Hexagonとの提携の取り組みについてご報告ができ大変嬉しく思います。既存の枠組みだけでは解けない社会課題に対して、両社の強みを組み合わせ多様で複雑な社会課題を解決する、新たなサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)オファリングをグローバルオファリングとして汎用サービス提供に向け取り組んでいき、社会課題の解決に貢献します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

注1 Hexagon Safety, Infrastructure & Geospatial division:
本社 米国アラバマ州ハンツビル、President Steven Cost

注2 富士通株式会社:
本社 東京都港区、代表取締役社長 時田 隆仁

注3 シュトゥットガルト市:
首長 Frank Nopper

注4 デジタルリハーサル:
施策を実世界に適用する本番の前に、デジタルツイン上のデジタル空間の都市の舞台で人・社会の振舞いを再現し、その施策が与える効果や影響を把握することによって最適な施策を探索することのできる世界初の技術。

注5 世界保健機関(WHO)調査レポート:
Road traffic injuries(20 June 2022) https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/road-traffic-injuries

本件に関するお問い合わせ

Hexagon Safety, Infrastructure & Geospatial division
お問い合わせ窓口

富士通株式会社
富士通コンタクトライン(総合窓口)

 

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