国内初 メタンバスへ再エネ利用のe-methane(合成メタン)を供給開始 ~福島県相馬市運用のコミュニティバスでCO₂フリー水素からのe-methaneを活用~

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2023-01-23 IHI技術情報

IHIは,福島県相馬市(以下「相馬市」)の協力の下,相馬市において太陽光発電電力の地産地消と,地域振興・発展に寄与することを目的に実施しているスマートコミュニティ事業の一環として,相馬市が運用するコミュニティバス「おでかけミニバス」で,国内初のe-methane(合成メタン)を燃料とする車両へのe-methane供給を開始しました。

同バスへの供給を開始したe-methaneは,「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」(以下「SIGC」)において,太陽光発電設備で発電した電力を使って製造したグリーン水素を活用して製造したもので,相馬市が運用する高齢者向けの「おでかけミニバス」のうちの1台に供給し,e-methane製造および車両燃料としての実証を行います。

e-methane の製造は,SIGCの水素研究棟「そうまラボ」で装置の実証を行い,設計を標準化したメタネ―ション装置(以下「標準機」)で行います。今回の実証では,製造したe-methaneから余分な水分・水素を除去してメタンバスの燃料として毎時4Nm³のe-methaneを製造し,充填装置でバスに供給します。充填装置は,LNG車用に使われていたものを再利用したもので,e-methane供給のための新たな充填装置の開発は不要であることが確認できています。

国内初 メタンバスへ再エネ利用のe-methane(合成メタン)を供給開始 ~福島県相馬市運用のコミュニティバスでCO₂フリー水素からのe-methaneを活用~
メタネーション装置「標準機」

メタンバス用に改修された新パッケージの車両は,2月1日(水)に本格的に運用されるのに先立ち,本日,SIGCにおいてお披露目されました。

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「おでかけミニバス」と充填装置

IHIは,本事業により再生可能エネルギーの地産地消の実現と地域主導の新たな自律事業モデルを創出し,被災地域の復興から地域経済の活力再生に向けた新しいまちづくりの一助となることを目指して,事業構築の推進に取り組むとともに,多様なソリューションを組み合わせるエンジニアリングサービスの提供によって,2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

※本事業の一部(充填装置関連)は,『福島県における再生可能エネルギーの導入促進のための支援事業費補助金』の助成を受けて実施しました。

<標準機>
メタネーション:二酸化炭素と水素を触媒で反応させることで,燃料であるe-methaneを製造するカーボンリサイクル技術。
合成メタン製造量:12.5 [Nm³/h]   *低負荷運転も可能
エンクロージャ寸法:幅2,250mm×長さ6,100mm×高さ2,850mm

<おでかけミニバス>
相馬市が,自ら移動手段を持たない65歳以上の高齢者の方々の移動手段の確保と中心市街地活性化を目的として2010年から運行。
https://www.city.soma.fukushima.jp/shinososhiki/kikakuseisakuka/seikatsu/1/odekake_bus.html

<そうまIHIグリーンエネルギーセンター(SIGC)>
所在地:福島県相馬市光陽 2-1-1,敷地面積:54,000㎡
事業内容:2018年4月に開所し,持続性のある地産地消型スマートコミュニティ事業により「水素を活用したCO₂フリーの循環型地域社会創り」を実践。太陽光発電電力(出力1,600kW)を,相馬市下水処理場等へ送り,余剰電力は,①水電解水素製造装置に送り効率よく水素を製造・貯蔵・利活用する実証事業,②電気ボイラで作った蒸気で下水処理場の汚泥を乾燥し減容化・肥料化する実証事業等を行っている。
2020年に開所した「そうまラボ」では,水素利用の先進技術開発拠点として,①の余剰電力で製造した水素を使用し,将来の水素社会を見据えた水素利用・エネルギーキャリア転換技術研究・実証試験等を実施。

【メタネーションに関する参考資料】

0505化学装置及び設備
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