2022-11-25 三菱重工
◆ 集じん性能を阻害する「イオン風の巻き返し」発生を抑え、省スペース・コスト削減・工期短縮を実現
◆ 約2年間の実証運転を通じて、性能および耐久性を検証済み
三菱重工グループの三菱重工パワー環境ソリューション株式会社(社長:加賀見 守男、本社:横浜市中区)は、自社の主力製品であり各種産業向けに幅広く使用されている電気集じん装置(EP:Electrostatic Precipitator)の新製品として、従来の集じん原理と電極構造を一新した画期的な新型の「イオン風型電極EP」を開発しました。従来型EPに比べて大幅な性能向上が見込め、お客様の省スペースおよびコスト削減、ならびに工期短縮を可能にします。
従来型EPでは、他社製も含め放電極から集じん極板に向かって流れる「イオン風」が集じん極板に当たって戻る「イオン風の巻き返し」が集じん性能の阻害要因になっており、EPの性能やサイズはこの「イオン風の巻き返し」による捕集ばいじんの再飛散を考慮して評価・決定されています。新型EPは、開口部のある非板状の新型集じん極と最適な放電極の組み合わせにより「イオン風の巻き返し」が発生するのを抑えることで、集じん性能の大幅な向上を実現しました。7年前から開発に取り組み、約2年間の実機プラントによる実証運転を通じて、性能と耐久性を検証済みです。
大幅な集じん性能の向上により、新型EPは従来型より小型で省スペースとなり、従来型では配置困難な狭いスペースにも設置が可能です。また、既設の従来型EPのケーシングをそのまま活用し、内部の電極のみをイオン風型電極に一部または全部を更新することが可能なため、既設従来型EPの性能向上(出口ばいじん濃度の低減)が図れます。既設EPの性能向上が不要な場合には、劣化した従来型電極の一部のみをイオン風型電極に更新することにより、性能をキープした上で更新対象の物量低減による工事費削減・工期短縮が可能になります。
三菱重工パワー環境ソリューションは、三菱重工業の100%出資会社で、火力発電や各種産業プラント用に幅広く集じん装置事業を展開しています。既存環境装置の老朽化に伴う更新・リプレース需要が今後増えていくことが予想される中、この新型EPの市場投入により、お客様のニーズによりきめ細かく応えた最適な提案を行い、環境負荷の低減とコスト削減に貢献していきます。
【製品の特長】
【性能評価例】
■本製品に関するお問い合わせ先
三菱重工パワー環境ソリューション株式会社