2022-02

1202農芸化学

イチジク株枯病抵抗性台木「励広台(れいこうだい)1号」標準作業手順書

イチジク株枯病は、国内の多くの産地で被害が報告されているイチジクの難防除病害で、主に土壌感染で被害が拡大するため、これを防ぐ抵抗性台木の開発が望まれていました。イチジク属の野生種であるイヌビワが持つ本病害への極めて強い抵抗性に着目して、イチジクとイヌビワの種間雑種からイチジク株枯病抵抗性台木の新品種「励広台1号」を育成しました。2022年の秋季より接ぎ木苗木の販売を開始します。
0500化学一般

超分子組織化を利用した自在な分子配向制御の新たな選択肢~ポルフィリンの中心金属が薄膜構造を決める~

テトラピリジルポルフィリンが分子間で形成する配位結合を利用することで、この類縁化合物では珍しい垂直配向を実現しました。この成果は配位結合を分子配向制御に用いた初めての例であり、有機半導体だけでな、有機金属構造体(MOF)に代表される超分子材料の分子配向の自在制御にもつながると期待されます。
1701物理及び化学

水の構造をめぐる分光の解釈に決着 ~軟X線発光スペクトルの正しい解釈に向けて~

水の軟X線発光スペクトルの温度依存性や同位体依存性を理論的に再現することに成功。軟X線発光分光に特有の散乱過程によって水の構造とその変化を強調して観測できることが判明。様々な環境における水の構造とその役割を分子レベルで理解するための理論的裏付けが可能に。
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1701物理及び化学

天の川銀河中心の巨大ブラックホール天体「いて座A*」の構造

東アジアVLBI観測網による波長1.3センチと7ミリ帯の電波観測データから、天の川銀河の中心にひそむ巨大ブラックホール天体「いて座A∗ (エースター)」の詳しい構造が明らかになりました。
0401発送配変電

プラスチック太陽電池の発電機構を解明~オフセットが小さくても光電変換効率が高い理由を分析~

半導体ポリマーと非フラーレン型電子アクセプター(NFA)を用いた有機薄膜太陽電池(OSC)の発電メカニズムを明らかにしました。NFAを用いたOSCの光電変換機構は従来系とは異なり、半導体ポリマーとNFAとの相分離界面近傍に形成されるエネルギー準位勾配を駆動力として光電変換していることを明らかにしました。
1700応用理学一般

結合した2種高分子間の「つなぎ目」が鍵~半導体の微細加工に貢献する新しい高分子設計~

次世代半導体微細加工材料として注目されているポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)によるブロック共重合体であるPS-block-PMMAのつなぎ目にオリゴペプチドを精密に導入することで、PS-block-PMMAの相分離下限分子量よりも低い分子量で長周期のラメラ構造の形成に成功しました。
0501セラミックス及び無機化学製品

耐酸化性を向上した銅・ニッケル系コアシェル型インクを開発

大気下で安定な、有機アミンが金属イオンに結合した錯体を使ったインクに着目し、異なる金属の錯体を混合することで、インクの組成や条件により多層コアシェル構造から合金までを印刷可能であることを発見しました。この原理を用いて、銅およびニッケル錯体を混合したインクを印刷することで、自己組織化的に銅・ニッケルコアシェル構造を形成しました。酸化に強いニッケルが銅表面を覆うことによって、耐酸化性を従来の銅インクより大幅に改善し、なおかつ安価なインクを開発しました。銅・ニッケル印刷配線の抵抗率は、最高で19 μΩcmという、従来の金属インクとそん色ない値を示しました。
0502有機化学製品

インドールなどの化学的に安定なヘテロ芳香環に 二酸化炭素を2分子導入する新手法を開発

CO2は、有機合成化学の観点からすると安価で低毒性、かつ尽きることのない魅力的な炭素資源です。また、CO2の効率的かつ大規模なリサイクルが求められています。CO2から低コストかつ効率的に、持続可能社会を支えるための付加価値の高い有機化合物を創出し続ける研究は、天然資源の少ない日本にとって非常に重要です。研究グループは電気化学による電解還元法を用いることで、インドールなどの化学的に安定なヘテロ芳香環を脱芳香族化しながら、CO2を2分子導入する新しい形式のダブルカルボキシル化反応の開発に成功しました。
1600情報工学一般

AI倫理ガイドラインに基づきAIシステムの倫理上の影響を評価する方式を開発、手順書や適用例とともに無償公開

総務省、経産省が発表したAI倫理ガイドラインに基づきAIシステムの倫理上の影響を評価する方式を開発し、これに基づくAI倫理影響評価手順書ならびに適用例のドラフト版をAIシステムの開発者や運用者向けに、2022年2月21日より無償公開します。自然言語で書かれたAI倫理ガイドラインの記述内容を構造化して倫理要件を明確化する手順と、倫理要件を実際に利用するAIシステムに対応づける手順で構成されます。
0500化学一般

熱電変換物質設計の新戦略 ~物質の特徴を決める電子状態パラメータのデータベースの構築と利活用~

物質の特徴を決定する電子状態パラメータのデータベースの構築とその俯瞰的な分析により、熱電変換物質の新しい設計指針を得ることに成功しました。この新しい指針を活用することで、より性能の高い熱電変換物質の開発が期待されます。
0400電気電子一般

世界初、可動部が一切ない自動運転用ソリッドステートLiDARを開発

燃費効率の良い自動走行システムの実現に向け「長距離・広視野角・高解像度・車載用LiDARの開発」に取り組んでおり、世界で初めてスキャナー(MultiPol®)の可動部を一切なくし、量産性を向上させたソリッドステートLiDARを開発しました。開発したソリッドステートLiDARはデジタル信号を加えることで光ビームの方向をスキャンできるようにしたもので、モーターなどで光ビームを移動させる従来方式で指摘されていた信頼性の問題を解消しました。
0405電気設備

誘電体ナノキューブでリチウムイオン電池の充放電時間を大幅に短縮

リチウムイオン電池にチタン酸バリウム(BTO)から成るナノサイズの立方体結晶「ナノキューブ」の誘電体を使用することで、充放電時間を従来と比較して4分の1に短縮した。正極活物質のコバルト酸リチウム(LCO)にBTOナノキューブを凝集なく固定化すると、LCOへのリチウムイオンの挿入と脱離が加速し、リチウムイオン電池の充放電時間が飛躍的に短縮した。
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