高精度で不可視を可視化する新しいホログラフィックカメラ (New holographic camera sees the unseen with high precision)

ad

2021-11-17 アメリカ合衆国・ノースウェスタン大学

高精度で不可視を可視化する新しいホログラフィックカメラ (New holographic camera sees the unseen with high precision)

・ ノースウェスタン大学と南メソジスト大学が、曲がり角の先や皮膚、濃霧や人間の頭蓋骨等の散乱媒体で隠れたオブジェクトを可視化する、新型の高解像度カメラを開発。
・ 同カメラでは、合成波長ホログラフィー(synthetic wavelength holography: SWH) と呼ばれる新技術を利用。隠れたオブジェクトに間接的にコヒーレント光を散乱させ、反射した散乱光をカメラが捉え、その光の信号をアルゴリズムが再構築してオブジェクトを復元する。
・ 散乱媒体で隠れたオブジェクトを撮影する NLoS(non-line-of-sight)イメージングと呼ばれる比較的新しい研究分野の技術に比べ、SWH 技術はサブミリメートルの解像度で大きな面積の全体画像を迅速に捉えることができる。
・ このような解像度レベルでは、皮膚内の毛細血管の画像化が可能となる。また、非侵襲的な医療イメージング、自動車用早期警戒ナビゲーションシステムや極狭小なスペースの工業検査等、アプリケーションの可能性は広範囲にわたり、医療・産業用内視鏡の代替としても期待できる。
・ 同カメラのプロトタイプでは可視光または赤外光を利用するが、他の波長への拡張も可能。宇宙探査や海底の音響イメージングで電波を利用する等、多くの分野に適用できる。
・ SWH 技術では、光の反射時間を測定する高価な高速検出器が不要。2 本のレーザー光の光波を合体させ、散乱光の影響下でのホログラフィックイメージングに適合した合成光波を生成する。ホログラムでオブジェクトの全ライトフィールドを捉えるため、オブジェクト全体の 3D 形状の再構築が可能となる。
・ 低解像度、狭い視野角や散乱光の信号測定に時間のかかるラスタースキャンや、広いプロービング面積が必要な NLoS イメージングには課題が多くある。SWH 技術では、高い空間分解能と時間分解能、小さなプロービング面積と広い視覚野により、狭い場所にある小さなオブジェクトや、広い場所にある隠れたオブジェクト、さらには動いているオブジェクトの高解像度撮影が可能。
・ 同カメラは将来的に自動車事故の回避に役立つものだが、自動車への搭載や医療用アプリケーションでの承認は 10 年以上先となる。
・ 本研究は、米国国防高等研究計画局(DARPA)、米国立科学財団(NSF)および米国海軍研究所(ONR)が支援した。
URL: https://news.northwestern.edu/stories/2021/11/new-holographic-camera-sees-the-unseen-with-high-precision/

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Nature Communications 掲載論文(フルテキスト)
Fast non-line-of-sight imaging with high-resolution and wide field of view using synthetic wavelength
holography
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-021-26776-w

Abstract

The presence of a scattering medium in the imaging path between an object and an observer is known to severely limit the visual acuity of the imaging system. We present an approach to circumvent the deleterious effects of scattering, by exploiting spectral correlations in scattered wavefronts. Our Synthetic Wavelength Holography (SWH) method is able to recover a holographic representation of hidden targets with sub-mm resolution over a nearly hemispheric angular field of view. The complete object field is recorded within 46 ms, by monitoring the scattered light return in a probe area smaller than 6 cm × 6 cm. This unique combination of attributes opens up a plethora of new Non-Line-of-Sight imaging applications ranging from medical imaging and forensics, to early-warning navigation systems and reconnaissance. Adapting the findings of this work to other wave phenomena will help unlock a wider gamut of applications beyond those envisioned in this paper.

0110情報・精密機器
ad
ad
ad
タイトルとURLをコピーしました