(NREL Process for Renewable Butyric Acid Good for Environment, Cheaper Biofuels)
2021-10-11 アメリカ合衆国・国立再生可能エネルギー研究所(NREL)
・ NREL が、ディーゼルやジェット燃料の前駆体となる酪酸を、石油由来の同化学物質の販売価格を大きく下回るコストでリグノセルロース系バイオマスから作製する総合的なプロセスを開発。
・ 酪酸は石油由来のプロプレンから世界で毎年約 8 万トンが生産され、約$1.80/kg で販売されている。同プロセスで生産する酪酸はその 55%で販売可能で、従来のバイオ生産経路に比べ温暖化ガス排出量を 50%低減する。
・ 本研究ではまず、リグノセルロース系の主要な糖類であるグルコースとキシロースの発酵により酪酸、酪酸塩、CO2 および水素を生産する微生物の Clostridium tyrobutyricum と Clostridium butyricumのについて調査した。
・ バイオマスにはトウモロコシの茎葉を使用してこれらの 2 種類の微生物の性能を比較し、前者が酪酸の生産により優れることを確認。発酵容器から酪酸を継続して抽出する高度な発酵プロセス、EDISPR(hybrid extraction distillation – in situ product recovery)を開発。バイオマスを再生可能燃料の化学中間体の酪酸に変換する有望な経路を提供する。
・ 本研究の成果を踏まえ、経済的に有利な商業用酪酸生産経路の確立に向けて同プロセスのスケールアップを開始。バイオマスから再生可能なディーゼル・ジェット燃料の採算性のある経路の実証を目指す。
・ 本研究には、米国エネルギー省(DOE)のバイオエネルギー技術局(BETO)が資金を提供した。
URL: https://www.nrel.gov/news/program/2021/nrel-process-for-renewable-butyric-acid-good-for-environment-cheaper-biofuels.html
<NEDO海外技術情報より>
(関連情報)
Cell Reports Physical Science 掲載論文(フルテキスト)
Process intensification for the biological production of the fuel precursor butyric acid from biomass
URL: https://www.cell.com/cell-reports-physical-science/fulltext/S2666-3864(21)00302-7