(Sustainable coffee grown in Finland ? the land that drinks the most coffee per capita produces its first tasty cup with cellular agriculture)
2021-09-15 フィンランド技術研究センター(VTT)
・ VTT では、バイオテクノロジー技術を通じて日常的な農産物を生産するプロジェクトの一環として、フィンランドの研究室にて植物細胞を利用したコーヒー生産技術を開発している。
・ コーヒー需要の世界的な増加に伴い、従来のコーヒー農業における熱帯雨林地域の森林破壊等の持続可能性の課題から、コーヒー生産の代替手法を早急に開発する必要がある。
・ VTT のバイオテクノロジー技術開発活動では、バイオリアクタの細胞培養を利用して様々な動物性・植物性製品の生産を研究している。コーヒーの細胞を利用したコーヒー生産の概念は、1970 年代にP.M.Townsley が考案した(“Production of Coffee from Plant Cell Suspension Cultures”)。
・ コーヒーの細胞培養で細胞株を作製し、バイオリアクタに投入して生産を開始。生産したコーヒーの分析後にロースティングプロセスを開発し、最終的に VTT の熟練した官能検査者が新しいコーヒーを評価した結果、一般的なコーヒーの香りと味との類似性を確認した。
・ コーヒーの抽出には、特殊な技術と専用機器を用い、専門家の監修の下で最適化を重ねる必要がある。VTT のコーヒー生産技術開発ではこれらの作業の土台を構築し、研究室でのコーヒー生産を実証した。
・ 研究室の条件下でこれまでに生産されたコーヒーは実験的な食品であるため、米国での販売には食品医薬品局(FDA)による承認が必要。欧州においては、「新規食品(Novel Food)」としての認可を得る必要がある。
・ 同コーヒー生産プロセスのスケールアップと最適化に向けた植物細胞の成長には、専門的な技術が必要となる。川下の工程、製品化、規制当局による認可を経た商業化は 4 年ほど先となる予定。
・ 植物細胞によるコーヒー生産技術開発は、世界の主要な課題に対処する VTT の戦略的な研究目標に結びつくもの。細胞農業はサステナブルな食品生産手段の一つである。
URL: https://www.vttresearch.com/en/news-and-ideas/sustainable-coffee-grown-finland-land-drinks-most-coffee-capita-produces-its-first
<NEDO海外技術情報より>
(関連情報)
VTT Cell Factory
URL: https://www.vttresearch.com/en/ourservices/cell-factory
Abstract
Engineered microbes and plant cells, also known as cell factories, can produce chemicals, polymers and proteins, as well as materials and food. They work in closed bioreactors with high efficiency, specificity and low energy requirements. VTT develops cell factories for various biotechnical processes.
Biotechnical processes enable the production of various bulk or platform chemicals, biopolymer precursors, high value chemicals such as flavours and fragrances, pharmaceuticals, sweeteners, vitamins or other food ingredients from renewable non-fossil resources.