単一強磁性体素子で3次元磁場検出を実現

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3次元磁気センサーの小型化に向けた新たな設計指針を提示

2021-10-04 東北大学金属材料研究所,科学技術振興機構

単一強磁性体素子で3次元磁場検出を実現

ポイント
  • 強磁性体Fe-Snナノ結晶の薄膜は、外部磁場に依存して巨大な異常ホール効果と磁気抵抗効果を示すことから、磁気センサーの基盤材料として有望です。
  • 異常ホール効果、一方向性磁気抵抗効果および異方性磁気抵抗効果を組み合わせることで、平面型単一素子による3次元磁場ベクトルの検出を実証しました。
  • 磁気センサーの小型化に向けた素子開発への新たな設計指針となります。

磁場ベクトルの大きさと方向を同時に検出する3次元磁気センサーは、移動体の位置・速度・角度の検出を可能とします。スマート社会における自動化やロボットの社会実装の進展に伴い、磁気センサーの小型化の重要性がますます高まっています。

従来よく用いられる3次元の磁気センサーは、3方向の磁場ベクトルを検出するために3つの磁気センサーを各方向に配置しており、この構成では小型化や低消費電力化に対する制約がありました。

東北大学 金属材料研究所の塩貝 純一 助教、藤原 宏平 准教授、野島 勉 准教授、塚﨑 敦 教授らの研究グループは、強磁性体Fe-Snナノ結晶薄膜素子を用いて、平面型単一素子による3次元磁場ベクトルの検出を実証しました。

この成果は、3次元磁気センサーの小型化の実現だけではなく、強磁性体を使った新たな機能性センシング素子の開発に貢献するものと期待されます。

本研究成果は、2021年10月4日(英国時間)に英国科学誌「Communications Materials」オンライン版に掲載されます。

本研究は、JST CREST「トポロジカル機能界面の創出」(研究代表者:塚﨑 敦、課題番号:JPMJCR18T2)、東北大学 金属材料研究所付属 新素材共同研究開発センター(課題番号:19G0410)からの支援を受けて実施されました。

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Three-dimensional sensing of the magnetic-field vector by a compact planar-type Hall device”
DOI:10.1038/s43246-021-00206-2
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
塩貝 純一(シオガイ ジュンイチ)
東北大学 金属材料研究所 低温物理学研究部門 助教

塚﨑 敦(ツカザキ アツシ)
東北大学 金属材料研究所 低温物理学研究部門 教授

<JST事業に関すること>
嶋林 ゆう子(シマバヤシ ユウコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ

<報道担当>
東北大学 金属材料研究所 情報企画室 広報班
科学技術振興機構 広報課

0703金属材料
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