クラウド型AI灌水（かんすい）「かん水オート」の提供開始

2021-08-102023-05-01

AI灌水による高品質トマトの栽培と、全量買取モデルによる「稼げる農業」の実現

AI灌水による高品質トマトの栽培と、全量買取モデルによる「稼げる農業」の実現

2021-08-10 株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモ（以下、ドコモ）は、現在提供する営農支援プラットフォーム「畑アシスト^®」のオプションサービスとして、AIが最適なタイミングを判断し、トマトに自動で水やりを行う「かん水オート」（以下、本サービス）の提供を開始いたします。本サービスは、静岡県より提供を開始し、今後順次エリアを拡大してまいります。

本サービスは、ビニールハウスの内部に設置したセンサーから気温や照度などのデータをクラウド上に収集します。収集したデータを元にAIが最適な水やりのタイミングを判断し、灌水チューブから自動で水やりを行うことで、高品質なトマトの栽培を可能とします。

高品質なトマトを栽培するためには、最適なタイミングで水やりを行うことが大変重要であり、これまでは豊富な栽培経験や熟達した栽培技術が必要でした。本サービスでは、静岡県浜松市のアグリテックベンチャーである株式会社Happy Quality（以下、Happy Quality社）が持つ水やり技術をAIにより再現し自動化しました。これにより、経験や技術がなくても、高品質なトマトの栽培が可能となります。

さらに、本サービスでは、栽培したトマトをHappy Quality社が全量買取を保証することで、農家の安定的な収益維持をめざします。これにより、農家は在庫リスクを抱えることなく、安定した営農と食材廃棄によるフードロスの軽減も可能となります。

また、本サービスでは、農業用ハウスの内部に温度や湿度センサーなどのIoT機器を設置し、省電力で長距離通信が可能なLPWA※1 通信「ZETA※2」を介し、センサーから得た情報をクラウド上のAIに送信します。送信される情報はNTT研究所の技術「IoT機器向け軽量認証認可方式※3」で暗号化しており、第三者による情報の盗用や制御機器の不正操作を防ぎ、安心してご利用いただけます。

なお、本サービスは、先進的な農法や農業ICTの導入に積極的に取り組まれている、静岡県袋井市のサンファーム中山株式会社にてご導入いただき、高品質なトマトの栽培を既に開始しております。今後は、Happy Quality社による生産物の全量買取も予定しております。

ドコモは、新しい農業を支える農業ICTを通じて、日本の農業の発展および課題解決に貢献して参ります。

※１ Low Power Wide Area。消費電力を抑えて遠距離通信を実現する通信方式のため、IoTを用いたサービスで広く活用されています。

※２ LPWA（Low Power Wide Area）の一種で、最大の特徴はメッシュアクセス型のネットワークです。多数の中継器を網目の様に繋げることで、通信しにくい場所に通信エリアを拡げられる、中継器との接続が切れても迂回することで通信を保てるといったメリットがあります。

※３ NTT研究所で開発した、IDベース暗号を利用した認証方式です。従来の方式よりも、低通信量での認証を実現できるため、IoT機器に適しています。