ペロブスカイトナノ粒子において近赤外光による大きな超高速光変調を室温で実現

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光通信帯における新たな超高速光スイッチング技術の開発に期待

2021-05-24 京都大学

金光義彦 化学研究所教授、湯本郷 同特定助教、廣理英基 同准教授、寺西利治 同教授らの研究グループは、レーザー光パルスをハライドペロブスカイト半導体CsPbBr3ナノ粒子に照射すると、可視光領域の光がレーザー光パルスの当たっている間のみ超高速に変調され、その大きさが近赤外領域のレーザー光で特異に増大する現象を室温で発見しました。

固体中の電子状態はレーザー光パルスの照射によって変調することが可能であり、超高速な量子状態制御や光スイッチングの応用に向けて、半導体ナノ構造を中心に盛んな研究が行われてきました。しかし、従来の半導体ナノ構造では、大きな光変調が実現するレーザー光の波長領域が限定的であり、また低温での報告に留まっていました。本研究では、ハライドペロブスカイト半導体ナノ粒子における大きなスピン軌道相互作用に起因した多準位電子状態を利用することにより、室温・光通信帯波長で効率的な超高速光変調が可能であることを明らかにしました。これらの結果は、次世代太陽電池材料として期待されるハライドペロブスカイト半導体が、従来の半導体ナノ構造では実現不可能であった新たな光スイッチングデバイスや光変調素子の材料としても有能であることを示した重要な成果です。

本研究成果は、2021年5月21日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

ペロブスカイトナノ粒子において近赤外光による大きな超高速光変調を室温で実現

図:室温においてハライドペロブスカイト半導体CsPbBr3ナノ粒子に近赤外光を照射すると、従来の光シュタルク効果から予想される振る舞い(黒点線)とは異なり、バンド端電子状態の間隔E0が大きく変調されることを発見。

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:金光義彦
研究者名:湯本郷
研究者名:廣理英基
研究者名:寺西利治

0403電子応用
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