無人自動運転移動サービスが沖縄県北谷町で観光地モデルとして運用を開始

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遠隔監視・操作型自動運転の新しい事業モデルによる民間事業者運行

2021-03-30 産業技術総合研究所

ポイント

  • 遠隔運転者1名で2台の遠隔監視・操作型自動運転
  • 広告などの収入により無賃で運行する観光地における新しい無人自動運転移動サービス事業モデル
  • ドライバー不足に対応し交通弱者の移動手段確保と地域の活性化につながる新しい交通手段の実現に貢献

概要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)情報・人間工学領域 端末交通システム研究ラボ 加藤 晋 研究ラボ長(ヒューマンモビリティ研究センター 首席研究員)、橋本 尚久 主任研究員(ヒューマンモビリティ研究センター)らは、沖縄県北谷町(ちゃたんちょう)にて、遠隔型の自動運転システムを用いた技術・サービス実証を進めて来ました。この実証成果を活かし、2021年3月31日より海沿いのコースにて、民間事業者が車内広告収入などを財源として無料で運行する観光地モデルによる無人自動運転移動サービスを開始します。

産総研は、経済産業省および国土交通省の「高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業:専用空間における自動走行などを活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」を幹事機関として受託し、北谷町における無人自動運転移動サービスの社会実装に向けて、ヤマハ発動機株式会社、株式会社日立製作所、慶應義塾大学SFC研究所、豊田通商株式会社、北谷町役場、北谷タウンマネジメント&モビリティサービス合同会社などと共に、研究開発と実証を進めてきました。

端末交通システムとは、バス停や駅から自宅や目的施設までの間や、地域内といった短中距離の移動を補完するラストマイルモビリティーとも呼ばれる次世代の交通システムです。本事業では、公共的な利用を前提に、地域の活性化などにつながる端末交通システムとして、ドライバー不足解消やコスト削減などに資する自動走行技術を取り入れた遠隔型自動運転システムなどの研究開発を行ってきました。また、研究開発された端末交通システムの社会実装に向けて2016年度に自治体や地域団体を公募し、選定地の一つである沖縄県中部郡北谷町と協力・連携して実証を重ねてきました。

本事業では北谷町の実証環境の特徴から観光地モデルと分類し、観光施設やホテルなどを巡回する海沿い(1周:約2km)の通路をコースとし、観光客や住民の移動手段としての端末交通システムの実証実験を行ってきました。これにより、歩行者などとの共存空間における自動走行や遠隔監視・操作の技術を実現することで、交通弱者となる海外からの観光客や高齢住民の移動手段の確保や観光地の活性化も目指してきました。

今回の無人自動運転サービスでは、遠隔型システムを用いて、遠隔にいる1名の運転手が、運転手が乗車しない2台の自動運転車(当面は安全確認のため後部座席に保安要員が乗車)を同時に監視・操作する形での運行となります。

使用する自動運転車両には、福井県永平寺町で今月国内で初めてレベル3の認可を受けた車両と同等の機能を有する自動運行装置を搭載しています。当該コースは道路交通関連法規上の道路に該当しないため※1、レベル3という扱いにはなりませんが、「レベル3相当」での運行となります。また、狭いコースであるなど走行環境を踏まえ、1名の運転者に対して、2台の自動運転車両での運行にとどめています。また、オーシャンフロントリゾート地でもある北谷町の海沿いのコースを走行するにあたり、周辺歩行者の受容性を高めるとともに、車体を観光地の雰囲気に合わせたデザインにすることで視認性を高め、安全性を向上させる取り組みを行いました。さらに、利用料金を無料とすることで多くの観光客に乗車していただき、その乗客向けの広告収入により運行経費を賄うことができます。これにより、行政、地域企業・住民、観光客に多大なメリットがある観光地ならではの持続可能な移動サービスを提供できます。

今後は、限定地域における遠隔監視のみの自動運転移動サービスの実現に向けて、他の地域でも技術開発・実証を実施していきます。

※1 走行するコースは、観光客などが利用する町有地の通路であるが、規制当局に確認したところ、ボラード(車の進入を阻止する杭)などで区画された走行環境であることから、道路交通関連法規上の道路に該当しないと判断されたもの。

移動サービスの概要

  • 名称:美浜シャトルカート
  • 運行開始日:令和3年3月31日
  • 走行ルート:西海岸フィッシャリーナ地区~アメリカンビレッジ海岸線 約2km
  • 利用料金:無料(車内広告収入などで賄う予定)
  • 運行主体:北谷タウンマネジメント&モビリティサービス合同会社
  • 使用車両:ヤマハ製電動カートを産総研が改造し、自動運転機能を追加
  • 運行形態:1人の遠隔監視・操作者が2台の自動運転車両を運行
    ※当面は安全確認のため、保安要員(運転者ではなく、車内の安全対策などのために乗車する者)が車両の後部座席に乗車した形で運行
    ※走行ルートまでドライバーが公道を運転するため、ナンバーを取得

観光地の雰囲気に合わせた装飾を施した車両の写真

観光地の雰囲気に合わせた装飾を施した車両

自動運転の様子

1人の遠隔監視・操作者が2台の無人自動運転車両を運行

【参考資料】

本件に対する問い合わせ先

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
情報・人間工学領域 端末交通システム研究ラボ
担当者:加藤

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