CO2からの液体合成燃料一貫製造プロセス技術の研究開発に着手

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ガソリン・軽油・ジェット燃料を代替し、温室効果ガスの大幅削減を目指す

2021-02-22 新エネルギー・産業技術総合開発機構

NEDOはCO2を液体合成燃料に変換し、カーボンニュートラルな燃料を高効率で製造する一貫プロセスを構築する研究開発として、このたび1グループによる2テーマを採択しました。製油所や工場などから排出されたCO2を原料に、再エネ由来の水素や電力と合成技術を組み合わせることで、内燃機関向け液体合成燃料を一貫製造する技術の確立に取り組みます。このプロセスで製造した液体合成燃料は将来的に自動車や航空機に供給する計画で、これにより温室効果ガスの大幅削減を目指します。

CO<sub>2</sub>から液体合成燃料を製造するイメージ図

図1 CO2から液体合成燃料を製造するイメージ

1.概要

菅首相が2020年10月に「2050年までのカーボンニュートラル」を宣言したことを踏まえ、経済産業省は関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。カーボンニュートラルの実現にはCO2を回収・貯留して利用する仕組みの確立が不可欠とされており、中でもCO2を原料とする液体燃料の製造技術は、CO2を有効利用する手法の一つとして注目されています。ただ、液体燃料は既存の石油サプライチェーンで供給できるため新たなインフラ整備が容易である半面、製造面では生産効率の低さやコストの高さといった課題があり、普及に向けては官民が一体となって技術開発に取り組む必要があります。

こうした中、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はCO2を原料に再エネ由来の水素や電力と合成技術を組み合わせることで、自動車のガソリンや軽油、ジェット燃料といった内燃機関向けの液体化石燃料を代替可能な液体合成燃料を高効率に一貫製造するという、世界でも類を見ない研究開発に取り組むこととしました。そしてこのたび、直接合成や選択性制御などの「次世代フィッシャー・トロプシュ(FT)反応の研究開発」と「再エネ由来電力を利用した液体合成燃料製造プロセスの研究開発」の2テーマを採択しました。これによりCO2を有効利用するカーボンリサイクルを促進するとともに、CO2の排出量削減を目指します。

2.研究開発テーマの内容

このたび採択した2テーマでは、CO2を原料とした化学品製造の実現や炭化水素製造に最も親和性が高いと考えられるフィッシャー・トロプシュ反応の次世代技術開発と液体合成燃料一貫製造プロセスの構築と最適化、さらに将来のスケールアップに向けた研究開発を行います。

  • 事業名: カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発/CO2からの液体燃料製造技術の研究開発【委託事業】
  • 事業期間: 2020年度~2024年度
  • 全体予算: 45億円程度

採択テーマ
委託予定先

CO2を原料としたカーボンリサイクル液体合成燃料製造技術の研究開発
(1)次世代FT反応の研究開発
(2)再エネ由来電力を利用した液体合成燃料製造プロセスの研究開発
学校法人成蹊学園 成蹊大学
ENEOS株式会社
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
国立大学法人横浜国立大学
出光興産株式会社
国立研究開発法人産業技術総合研究所
一般財団法人石油エネルギー技術センター

研究開発の概要図

図2 研究開発の概要

【注釈】
※ フィッシャー・トロプシュ(FT)反応
一酸化炭素と水素から触媒反応を用いて炭化水素を合成する技術。
3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 環境部 担当:加美山、酒井、荒川、布川 TEL:044-520-5293­

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:鈴木(美)、坂本

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