人工知能で聞くバラの香り (Using artificial intelligence to smell the roses)

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2020/7/28 アメリカ合衆国・カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)

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・ UCR が、機械学習を利用して化学物質の匂いを識別する技術を開発。AI による化学物質の匂いの予測が可能となる。

・ 食品香料、化粧品や家庭用品に含まれる有毒な化学物質を安全な天然の化学物質で代替する等、食品香料や香粧品工業でのアプリケーションの可能性が期待できる。

・ 人間は、約 400 種類の嗅覚受容体(odorant receptors: ORs)のうちの数種類が鼻腔内で活性化することで匂いを感じ取る。個々の OR は特定の化学物質のセットで活性化し、多数の OR 群では広大なケミカルスペース(化合物空間)を感知できる。

・膨大な数の化学物質を調査し、それらの匂いを作る要素を学習できることが機械学習の強み。機械学習アルゴリズムで未知の化学物質の匂いの予測もできるようになる。ケミカルインフォマティクスと機械学習を通じた化学物質の匂い予測のデジタル化により、食品や香粧品で使用する化学物質の科学的な優先順位付けの新手法を創出した。

・ 例えば、蚊には効力があるが人間には快い香りの防蚊剤の製造等、匂いの新しい組合せを持つ化学物質の迅速な特定や、希少性やコストが課題の化学物質の代替の発見を支援する、嗅覚アプリケーションに向けたミックス・アンド・マッチを可能にする無限大のパレットを提供する。

・ 最初に OR を活性化させる化学的性質をコンピューターが学習する方法を開発し、34 種類の OR に対する新しいリガンド(受容体に結合する)用の化合物約 50 万種類を選別。次に、受容体の活性を判断するアルゴリズムによる、匂い物質の多様な知覚特性の予測能力に注視した。

・ ボランティアによる数百種類の化学物質の評価を基に、知覚予測に最も優れた OR で未知の化学物質の予測能力を試験した結果、146種類の化学物質の知覚予測に成功。その中には極めて少数のOR による知覚があることを確認。

・ ショウジョウバエによる試験でも、匂い物質への嗜好において同様な結果が得られた。より少ない情報で予測に成功すれば、コンピューターによる匂いの知覚の解読がより容易になる。今回開発した技術を用いることで、製品に付加価値を付与する揮発性化学物質のスマートな製造と 34 種類の ORのリガンドの予測が可能となる。

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