自己組織化する分子繊維のネットワークを種形成の制御で作り分けることに成功

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人工スマートマテリアル設計の新機軸として期待

2020-08-26 京都大学

 浜地格 工学研究科教授、窪田亮 同助教、長尾和俊 同修士課程学生、田中航 同博士課程学生、浦山健治 京都工芸繊維大学教授らの研究グループは、2種類の自己組織化分子が独立に形成する2種類の異なった超分子繊維によって形成されるネットワーク様式の作り分けに成功しました。

 細胞内では、アクチンや微小管タンパク質に代表される複数種の細胞骨格(生体超分子ファイバー)が独立に存在し、それぞれの生命機能を担っています。近年、細胞骨格は互いに相互作用することで、単独では実現できない新しい働きをすることも明らかになってきています。人工分子においても、性質の異なる超分子ファイバー間の相対位置や連携を制御できれば、これまでにない柔軟で自律性のある材料を生み出せると考えられていました。しかし、人工超分子ファイバーの相対位置を制御することは困難で、有効な方法論はありませんでした。

 本研究グループは、種形成に依存した超分子ファイバーの生成速度を制御することで、2種類のファイバーが相互に入り組んだり、平行に寄り添ったりするネットワーク構造の作り分けと直接観測に世界で初めて成功しました。このような超分子繊維ネットワークの作り分け技術は、スマートなソフトマテリアル設計の新機軸になると期待されます。

 本研究成果は、2020年8月14日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

0504高分子製品0600繊維一般
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