冥王星の大気の崩壊が急速に進行している可能性を示唆

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星を隠す瞬間の観測によって初解明

2020-06-15 京都大学

有松亘 理学研究科研究員らの研究グループは、ハワイ・ハレアカラ山頂の東北大学T60望遠鏡を使用して、2019年7月に冥王星によって恒星が隠される「掩蔽 (えんぺい) 」とよばれる現象の観測に成功しました。掩蔽観測データを詳細に解析した結果、掩蔽観測時の冥王星の大気圧が2016年の観測結果と比べて約20%低下したことを発見しました。

1988年に冥王星の大気が発見されて以来、その大気圧は単調に上昇しつづけてきましたが、本結果はこれまでの観測傾向とは真逆の変化を示しています。今回発見された急速な大気圧の低下は理論モデルでも予測されておらず、現在の冥王星では予想外のペースで大気の主成分である窒素ガスが表面に凝結して凍りつき、大気の崩壊が進んでいる可能性があります。今後も恒星掩蔽を継続的に観測することで、いまだ謎の多い冥王星の大気の特性と今後の運命が明らかになると期待されます。

本研究成果は、2020年6月15日に、国際学術誌「Astronomy & Astrophysics」のオンライン版に掲載されました。

図:急速な大気の崩壊が進んでいる可能性がある冥王星の想像図(有松亘/AONEKOYA)

詳しい研究内容≫

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1701物理及び化学
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