引火しないリチウムイオン蓄電池を開発

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 (Scientists develop a lithium-ion battery that won’t catch fire)

2019/10/17 アメリカ合衆国・ジョンズ・ホプキンズ大学

引火しないリチウムイオン蓄電池を開発

・ ジョンズ・ホプキンズ大学が、リチウムイオン電池の安全性を高める水系電解質を開発。
・ 同大学が設計・開発を進めてきた水浸や弾道衝撃シミュレーション等の過酷な条件下でも作動するフレキシブルなリチウムイオン電池に、新たに不燃性を付与する。
・ 既存のリチウムイオン電池は、可燃性の材料で製造されているため、火災や爆発事故等が懸念される。例えば、このような危険性から、航空機では Samsung Galaxy Note7 の持ち込みを、また、米海軍は船舶や潜水艦での電子タバコの使用を禁止している。
・ リチウムイオン電池は、ポータブル電子デバイス、EV、電力網エネルギー貯蔵等に幅広く使用されているが、その安全性の向上は、リチウムイオン電池の製造方法と電子デバイスの使用方法を大きく転換させるもの。
・ 新タイプの水系電解質「water-in-salt (WiS)」 や「water-in-bisalt (WiBS)」は、ポリマー・マトリクスに組み込まれると水分活性が低減し、電池のエネルギー容量とサイクル寿命が向上。現在のリチウムイオン電池にみられる可燃性や毒性が排除され、高反応性溶媒も不要となり、安全でパワフルなリチウムイオン電池を実現する。
・ リチウムイオン電池は、1990 年代初期の商品化以来フォーム・ファクタが変わらず、現在でも円筒状や角柱状のセル形状を使用している。液体電解質とそのハーメチック(気密封止)パッケージングがその主な理由。
・ 本研究は、可燃性の液体電解質をポリマーで代替することで安全性とフォーム・ファクターを向上させるもの。さらに、損傷許容性では、2017 年に開発したフレキシブルなリチウムイオン電池で実証したそれを上回る。
・ 今後は、引き続きフレキシブルなリチウムイオン電池の安全性と機能性の向上を追求する。2019 年内には試作段階に移行予定。
URL: https://hub.jhu.edu/2019/10/17/lithium-ion-battery-safety/

(関連情報)
Chemical Communications 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
UV-cured gel polymer electrolytes with improved stability for advanced aqueous Li-ion batteries
URL: https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/cc/2019/c9cc06207f#!divAbstract

<NEDO海外技術情報より>

Abstract

We report the development of a new class of “water-in-salt” electrolytes based on UV photopolymerized acrylic polymers. Incorporation of “water-in-bisalt” in a polymer matrix reduces water activity, expands the electrochemical stability window to 4.1 V, and dramatically improves cycle life in full cells with lithium titanate anodes compared to liquid water-based electrolytes.

0400電気電子一般0402電気応用0501セラミックス及び無機化学製品0504高分子製品
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