深海探査のためのバッテリーフリーセンサー (A battery-free sensor for underwater exploration)

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2019/8/20 アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学(MIT)

(A battery-free sensor for underwater exploration)

A battery-free underwater “piezoelectric” sensor invented by MIT researchers transmits data by absorbing or reflecting sound waves back to a receiver, where a reflected wave decodes a 1 bit and an absorbed wave decodes a 0 bit — and simultaneously stores energy.

・ MIT が、ニアゼロ電力でセンサーデータを送信する、バッテリーフリーの水中通信システム(PiezoAcoustic Backscatter System)を開発。

・ 同通信システムでは、圧電効果および RFID タグのバックスキャッタ通信を活用。水中でトランスミッタが送信した音波を圧電センサーが受信してセンサー材料が振動し、この振動で発生した電荷を圧電センサーが貯蔵する。

・ 圧電センサーは、この貯蔵したエネルギーを使用してレシーバに音波を再放射する。この再放射の有

・無が送信データのビットに対応し、レシーバは再放射した音波を 1、再放射しない音波を 0 としてデコードする。このような 1 と 0 の送信により、あらゆる情報が送信できる。

・ 同通信システムによる水温と水圧測定を MIT の水泳プールで実証した結果、10m 離れたセンサーとレシーバ間で同時にセンサー2 個で 3KB/s の正確なデータを送信できた。

・ 先般、土星最大の衛星タイタンで発見された表面下の海洋でのデータ収集等、同通信システムは地球外でのアプリケーションにも対応可能。バッテリー無しで通信できるセンサーは、過酷な環境下におけるセンシングの可能性を拓くと考える。米航空宇宙局(NASA)は、2026 年にタイタン探査機を打ち上げる「ドラゴンフライ計画」を発表している。

・ 地球の表面の 72%を占める海洋や海洋生物に関する知識の取得には IoT デバイスが有効であるが、水中での Wi-Fi や Bluetooth 信号の利用は不可能であり、バッテリーの使用では海洋汚染が懸念される。そこで、マイクロフォン等のデバイスで 150 年ほど利用されてきた圧電材料に着目した。

・ 圧電材料は振動に反応して電圧を発生させるが、同効果は可逆的であり、電圧をかけることで材料が歪む。同効果は、水の中を移動する圧力波(沈没船等の検出に利用)を発生させる。このような可逆性がパワフルな水中バックスキャッタ通信技術開発の鍵。

・ 同通信システムでは、サブマージしたノード、圧電共振器を格納するサーキットボード、エネルギーハーベスティングユニットとマイクロコントローラーが中核を構成し、マイクロコントローラーのプログラミングであらゆるタイプのセンサーをノードに統合できる。少し離れた場所には、アコースティックプロジェクター(トランスミッタ)と水中で音を聴くデバイスのハイドロフォン(レシーバ)が配置される。

・ トランスミッタとレシーバには給電が必要だが、バッテリーが容易に交換できる船舶やブイ等への配置や陸上のコンセントへの接続が可能。一対のトランスミッタとレシーバで多数のセンサーから特定・複数の場所の情報が収集できる。

・ 同通信システムを生物海洋学や気象学の研究に役立てるためには、特に海水での実験が必要。今後の目標は、通信距離の延長とより多数のセンサーの同時通信についての実証。さらに、音や低解像度画像の送信可能性について試験を実施する。

・ 本研究は、米海軍研究局(ONR)が一部資金を提供した。

URL: http://news.mit.edu/2019/battery-free-sensor-underwater-exploration-0820

(関連情報)

Proceedings of the ACM Special Interest Group on Data Communication – SIGCOMM ’19 (2019)(フルテキスト(pdf)) Underwater backscatter networking

URL: http://www.mit.edu/~fadel/papers/PAB-paper.pdf

<NEDO海外技術情報より>

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