2018/06/08 原子力規制委員会
原子力規制委員会は、平成30年6月8日に関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)から、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第87条第9号の規定に基づき、高浜発電所3号機及び4号機の運転上の制限(注1)の逸脱について、下記のとおり報告を受けました。
1.関西電力からの報告内容
関西電力は、高浜発電所3号機が定格熱出力一定運転中のところ、雷による系統ショックにより、18時05分、予備変圧器内部故障過負荷警報が発信し、予備変圧器がトリップしました。高浜発電所3号機及び4号機において外部電源として4回線は確保されているものの、予備変圧器側からの電源がないことから回線の独立性が確保されていない状態と判断し、18時08分、原子炉施設保安規定第73条の3の運転上の制限を逸脱したことを宣言しました(注2)。
また、高浜発電所4号機のディーゼル発電機の燃料油貯油そうについて、原子炉施設保安規定第89条に基づき計画的な点検作業を行っていたが、点検条件として定めていた上記の外部電源の要求が満足できない状態となったことから、高浜発電所4号機において、19時00分、原子炉施設保安規定第85条(表85-15-7)の運転上の制限を逸脱したことを宣言しました。
また、高浜発電所4号機のディーゼル発電機の燃料油貯油そうについて、原子炉施設保安規定第89条に基づき計画的な点検作業を行っていたが、点検条件として定めていた上記の外部電源の要求が満足できない状態となったことから、高浜発電所4号機において、19時00分、原子炉施設保安規定第85条(表85-15-7)の運転上の制限を逸脱したことを宣言しました。
2.原子力規制委員会の対応
本件に係る報告を受けて、現地駐在の原子力運転検査官が立入検査を行い、関西電力が高浜発電所の保安規定に従い、必要な措置を適切にとっていることについて確認しております。
今後、原子力規制委員会は、関西電力が行う是正処置等について確認します。
(注1) 運転上の制限:保安規定において、多重の安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数等を定めているものです。一時的にこれを満足しない状態が発生すると、事業者は運転上の制限からの逸脱を宣言し、速やかに修理等の措置を行うことが求められます。なお、それらの措置を講ずれば、保安規定違反に該当するものでありません。
(注2) 保安規定第73条の3で、外部電源について、「3回線以上が動作可能であること」、「1回線以上は他の回線に対して独立性を有している」ことが要求されています。
お問い合わせ先
原子力規制庁
原子力規制部 検査グループ
安全規制管理官(実用炉監視担当) 古金谷 敏之
担当:実用炉監視部門 吉野、坂本
原子力規制部 検査グループ
安全規制管理官(実用炉監視担当) 古金谷 敏之
担当:実用炉監視部門 吉野、坂本
関西電力の発表