AIの活用による高度解析に向けて
2018-04-16 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
NEDOは、高機能な素材や部品の新規開発を進めるために、国内メーカーが強みを持つ電子顕微鏡や質量分析装置、X線分析装置などの各種計測分析機器のデータを統合させるプラットフォームを構築し、AIを活用した高度な解析を可能とする複合計測分析システムの開発に着手します。
各種計測分析機器のデータを容易に統合解析できる基盤を2022年度をめどに整備することで、機能性部素材の開発を加速し、ものづくり産業の発展に貢献します。
複合計測分析システムの概要図
1.概要
ものづくり現場では、電子顕微鏡、質量分析装置、X線分析装置などさまざまな計測分析機器が使われ、素材や部品、製品を高機能化するための研究が進められています。しかし、多くの機能性材料は、サブミクロン※1レベルの局所領域でみると、元素組成や結晶組織などの構造が均一ではないことから、試料のどの位置を計測したのかが重要な情報となります。そのため、さまざまな計測分析機器で、試料の同じ位置を対象に計測し、統合的に解析する必要性が高まっています。
そこで、NEDOは、企業、大学、研究機関との連携により、メーカーや用途が異なる各種計測分析機器で試料の位置決めを高精度※2で行う技術、計測分析機器間のデータを統合する機能、AIによる高度な解析機能を持ち合わせた複合計測分析システムの開発に着手します。多種多様な計測分析機器のデータから、部素材の構造と機能の相関を迅速に解明し、製品開発を加速させるための基盤を確立することで、国内メーカーが強みを持つ計測分析機器の進化・発展とものづくり産業のさらなる競争力強化を目指します。
2.事業内容
- 【1】事業名
- 省エネ製品開発の加速化に向けた複合計測分析システム研究開発事業
- 【2】期間
- 2018年度~2022年度(5年間)
- 【3】事業総額
- 15億円 (予定)
- 【4】委託予定先
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- 株式会社島津製作所
- 日本電子株式会社
- 株式会社日立ハイテクノロジーズ
- 株式会社堀場製作所
- 住友ゴム工業株式会社
- TDK株式会社
- 国立大学法人九州工業大学
- 国立大学法人名古屋大学
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所
- 国立研究開発法人理化学研究所
【注釈】
- ※1 サブミクロン
- 1ミクロン(10-6メートル)以下。
- ※2 高精度
- 同一試料の計測位置をサブミクロンの精度で合わせ込む。新しい機能性部素材の発見や更なる高性能化のためには、複数の素材を最適に組み合わせてナノメートル(10-9メートル)からマクロレベルまで制御することが必要。
3.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 材料・ナノテクノロジー部 担当:大滝、足利
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本