平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査の結果(速報値)について

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2018-09-28 環境省

環境省では、家庭部門の詳細なCO2排出実態等を把握し、地球温暖化対策の企画・立案に資する基礎資料を得ることを目的に、平成29年度から「家庭部門のCO2排出実態統計調査」を本格調査として実施しています。
今般、初めてとなる結果(速報値)を取りまとめました。
この調査は、各世帯の世帯構成、住宅の建て方、電気、ガス等のエネルギー消費量や家電製品別の使用状況等、延べ496項目にわたって詳細に調査しています。
調査結果の1つとして、高齢世帯は、若中年世帯に比べ、CO2排出量が多いことが確認されました。また、調査結果を活用し、例えば、二重サッシまたは複層ガラスの有無別でエネルギー消費量を分析すると、暖房によるエネルギー消費量は約24%少なくなっており、断熱対策の有用性が確認できます。
この調査結果について、地方公共団体、大学はじめ様々な主体に活用いただくことを期待しています。あわせて、環境省では、この調査を継続するとともに、対策強化の検討など、調査結果の更なる活用を進めていきます。

1.調査の趣旨について

我が国では、地球温暖化対策計画(平成28年5月13日閣議決定)において、2030年度の温室効果ガス排出量について、2013年度比26.0%減(2005年度比25.4%減)することが目標として掲げられており、家庭部門では、約4割削減することが目安とされています。また、国連気候変動枠組条約に基づき、温室効果ガスの排出・吸収量目録の提出とともに、その精緻化が求められているところです。

このような背景を踏まえ、本調査は、家庭部門の詳細なCO2排出実態等を把握し、地球温暖化対策の企画・立案に資する基礎資料を得ることを目的としています。

なお、本調査は、統計法に基づく、一般統計調査として実施しました。平成26年10月から平成27年9月には試験調査を実施し、平成29年度から本格調査を行っています。

  URLhttp://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/kateitokei.html

2.調査の概要について

(1)調査の名称:家庭部門のCO2排出実態統計調査

(2)調査方法:住民基本台帳からの無作為抽出と、インターネット調査モニターからの選定(有意抽出)の2つの方法によって調査対象世帯を選定

(3)調査対象:全国10地方の店舗等併用住宅以外の住宅に住む主世帯

(4)調査対象期間:平成29年4月~平成30年3月

(5)調査世帯数:13,000世帯

(6)集計世帯数: 9,505世帯

(7)調査・推計事項:次に掲げる事項等を調査

CO2排出量については調査により得られた結果等を利用して推計

① 月別のCO2排出量を推計するためのエネルギー使用量等について(電気、ガス、灯油、ガソリン、軽油)

② 太陽光発電について(月別の発電量、売電量、太陽電池の総容量)

③ 世帯について(世帯員、平日昼間の在宅者、世帯年収)

④ 住宅について(建て方、建築時期、所有関係、延床面積、居室数、二重サッシ・複層ガラスの窓の有無)

⑤ 家電製品等について(テレビ・冷蔵庫・エアコン等の使用状況、家電製品に関する省エネ行動、使用場所毎の照明種類、照明に関する省エネ行動)

⑥ 給湯について(給湯器の種類、冬と夏の入浴状況、入浴やお湯の使用に関わる省エネ行動)

⑦ コンロ・調理について(コンロの種類、用意する食事の数、調理に関する省エネ行動)

⑧ 車両について(自動車等の使用状況、燃料の種類、排気量、実燃費、使用頻度、年間走行距離、自動車に関する省エネ行動)

⑨ 暖房機器について(保有状況、使用状況)

3.調査の特長について

従来の調査・統計においては、家庭におけるCO2排出量やエネルギー消費量とその説明要因(居住人数や住宅の建て方、保有する機器等)が別々に把握されていました。

本調査により、世帯のCO2排出量やエネルギー消費量とその説明要因をまとめて把握することで、家庭におけるCO2の排出実態を精緻に把握することが可能になります。

4.結果の例

世帯類型別のCO2排出量を比較すると、高齢世帯の排出量が若中年世帯よりやや多い傾向がみられる。

平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査の結果(速報値)について

図1 世帯類型別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量

5.分析例(参考)

二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無別にエネルギー消費量を比較すると、すべての窓にある世帯では、ない世帯に比べ、エネルギー消費量が少ない傾向がみられます。

暖房によるエネルギー消費量は、すべての窓にある世帯がない世帯と比べ、約24%少なくなっています。

※ 北海道・東北・北陸を除く戸建・2人以上の世帯で分析

図2 二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無別世帯当たり年間用途別エネルギー消費量

(北海道・東北・北陸を除く戸建・2人以上の世帯)

6.今後の活用について

本調査については、継続して調査を実施することでデータを蓄積し、以下のような活用を検討しています。

・「COOL CHOICE」をはじめとする家庭部門の地球温暖化対策の企画・立案

・日本の温室効果ガス排出量の算定方法及び増減要因分析の精緻化

また、統計法第33条に基づき、地方公共団体、大学等に対して、調査対象の秘密の保護を図った上で、調査票情報の提供が可能です。

7.確報値について

今回公表する結果(速報値)では、電気のCO2排出係数が前年度値となっています。

事業者ごとの電気のCO2排出係数の公表後に、再計算を行い、確報値を公表する予定です(年度内を予定)。

確報値公表の際には、政府統計の総合窓口(e-Stat)に統計表を掲載する予定です。

また、確報値は、オーダーメード集計※を利用可能とする予定です。

※ オーダーメード集計:学術研究の発展に資すると認められる場合等において、既存の統計調査で得られた調査票データを活用して、調査実施機関等が申出者からの委託を受けて、そのオーダーに基づいた新たな統計を集計・作成し、提供するもの

添付資料
連絡先
環境省地球環境局総務課低炭素社会推進室
室長 木野 修宏(内線6740)
主査 野田 啓輔(内線6768)
担当 吉田 光 (内線6741)
1902環境測定
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