世界初 超広帯域 400Gbps回線による複数組織間とのIP映像伝送及びペネトレーションテスト等に成功

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2022-03-22 情報通信研究機構

概要

2022年2月5日(土)~2月11日(金・祝)に産業サイバーセキュリティセンター(ICSCoE)は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が実施する「超高精細映像を用いた広域映像配信実証実験」において、 NICTの運営するJGN(*1)、国立情報研究所(NII)の運営するSINET6(*2)、サイバー関西プロジェクト(CKP) (*3)と連携し、北海道(札幌)、東京、大阪の区間において世界で初めて伝送速度400Gbpsによる複数組織間におけるIP映像伝送及びペネトレーションテスト等の実証実験に成功しました。

世界初 超広帯域 400Gbps回線による複数組織間とのIP映像伝送及びペネトレーションテスト等に成功
(注) 連携先を考慮して 330Gbps 程度に調整して伝送実験を継続しました。

接続回線の全体構成図接続回線の全体構成図

ICSCoE秋葉原拠点に超広帯域400Gbps回線を導入ICSCoE秋葉原拠点に超広帯域400Gbps回線を導入

(*1) 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)総合テストベッド研究開発推進センターJGN 超高速研究開発ネットワークテストベッド

(*2) 国立情報学研究所(NII) SINET6 学術情報ネットワーク

(*3) 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)関西サイバープロジェクト (CKP)

400Gbpsの超広帯域回線を使用したペネトレーションテストなどを実施

中核人材育成プログラムの5期受講者、修了者を中心にペネトレーションテストチームを編成し、本実験に参加しました。映像配信/放送業界における新技術を含め、映像制御機器やネットワーク機器に対する様々なセキュリティ脆弱性検証を行いました。加えて、伝送速度400Gbps区間を含むIP映像伝送バックボーンに対するペネトレーションにもチャレンジし、新たな脆弱性を発見するという成果が得られました。
なお、今回で4年連続4回目の実験参加となりますが、メンバーである受講者、修了者は自主的な参加となっており、知見の習得や有識者との人脈形成など、それぞれの目的や課題を持ち寄って主体的に実験に取り組んでいます。その結果、実行したテストシナリオ数は4年間で合計150件を超えました。
また、ペネトレーションテストと並行し、400Gbpsで構成される次世代型高速バックボーンネットワークに対する実践的な負荷トラフィックの生成手法の開発及びそれを用いた負荷テストを行いました。実験に伴い新たに市販品のみで構成された高性能PCを用いて400Gbpsのトラフィックを生成する手法を新たに開発しました。400Gbpsという広帯域のより豊かなトラフィックパターンを安価に生成できることは、高価な測定器や複雑な装置で構成される環境を必要としないため、簡単にかつ様々な場所や環境でバックボーンネットワークに対して負荷テストを行うことができることに繋がります。
本実験では、様々なトラフィックを実際に構築された400Gbpsのバックボーンネットワークすなわち実網に挿入することで、未発見の装置の不具合やプロトコル上の問題点、運用上の課題点を洗い出すことができました。


本実験ではPC 2台を用いて 400Gbps のトラフィックを生成して、広域において負荷実験を実施

今回のペネトレーションテスト及び負荷テストで得られた結果や知見は、コントリビュートしたメーカー各社へ適切にフィードバックされ、問題解決や製品の耐性強化などへの貢献が期待されます。また、このような取り組みを通じて次世代型高速バックボーンネットワークの世界的な品質向上に貢献しております。


実証実験の様子

ICSCoEでは、変化の激しいサイバーセキュリティに対応するため、最新の技術や設備をいち早く導入しています。本実験ではそれに加えて、セキュリティ製品メーカー各社がコントリビュータとして秋葉原拠点に集結し、各社の製品の品質や性能について検証を実施しました。そのように実機を用いてセキュリティ対策、製品の検証を行うことができる環境を技術者集団に提供できたことが、今回の実証実験の成功につながりました。
今回のような取り組みと成果こそがICSCoEの価値であることを再確認し、今後も我が国の産業サイバーセキュリティの向上に貢献できる活動を継続していきます。

お問い合せ先

独立行政法人情報処理推進機構
産業サイバーセキュリティセンター
担当:河合、小林

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