エリアや時間を指定したネットワークスライシングの実証実験に成功~世界初︕ハイブリッドクラウド構成で構築した 5GC と 5G SA 無線基地局を利用~

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2024-01-15 株式会社NTTドコモ, NTTコミュニケーションズ株式会社,日本電気株式会社,Sandvine

株式会社 NTT ドコモ(以下、ドコモ)、NTT コミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、日本電気株式会社(以下、NEC)、Sandvine は、ハイブリッドクラウド構成※1 で構築した 5G コアネットワーク(以下、 5GC)とドコモが提供する 5G SA の商用無線基地局を利用し、エリアや時間を指定してネットワークスライスを提供する技術(以下、本技術)の実現に向けた実証実験に成功しました。本技術の実証実験成功は世界初※2 です。

1.背景・目的
クラウドサービス、AI、IoT などの利用拡大に伴い、扱う情報量の増加やリアルタイム性が必要な処理など、お客さまの利用用途が多様化しています。自動運転やドローン、ロボット制御など、今後活用が見込まれる領域への対応を含めたお客さまのさまざまなご要望にお応えするため、利用用途に応じたネットワークスライシングの提供をめざし、本技術の研究開発を進めています。
本技術の活用により、イベント会場や災害地域など通信トラフィックが集中する特定スポットで日時を指定して利用用途に応じた最適なネットワークを提供するなど、お客さまの多様なご要望に対応するネットワークを早期に提供することをめざします。また、QoS/QoE※3 を可視化することで、提供するネットワーク品質の監視が可能となります。

2. 実証実験の概要
具体的な実証実験内容は、以下の 4 点です。
(1) オンデマンドかつ即時対応を実現するネットワークスライス生成技術実証オーケストレーションプラットフォームである Qmonus®(クモナス)※4 より、ハイブリッドクラウド構成で構築した 5GC に対してオンデマンドで利用エリアや時間を指定したネットワークスライスを生成すること
(2) 5G ネットワーク上でのネットワークスライス接続技術実証 ハイブリッドクラウド上の 5GC で生成したネットワークスライスと商用環境の 5G SA の無線基地局を接続した実通信が利用可能であることトピックス
(3) ネットワークスライスを活用した、高精度の映像処理ユースケース実証ユーザー通信処理装置(以下、UPF)である ARM-Powered UPF※5 および UPF on Outposts※6 とインクルーシブコアアーキテクチャ※7 の要素技術である ISAP※8を活用した GPU アクセラレーション機能※9を連携することで、高速かつ高精度に AI 映像解析ができること
(4) ネットワークスライスの品質監視技術実証トラフィック、及びアプリケーション識別・制御ソリューション※10 を活用し、ネットワークスライスごとに QoS/QoE などのネットワーク品質監視ができること

図.実証実験の構成
利用エリアや時間などの利用用途に応じたネットワークスライスをオンデマンドで生成し、そのネットワークスライスが 5G ネットワーク上で利用可能であることをユースケース含めて商用の無線基地局環境で確認しました。

3.今後について
実証実験の中で、ハイブリッドクラウド環境上の 5GC、従来の CPU と比較し消費電力を抑えた ARMPowered UPF および UPF on Outposts を活用しています。これによりネットワークの迅速な構築や分散設置に加え、環境負荷低減が期待されます。ドコモ、NTT Com、NEC、Sandvine は本技術の導入に向けた検討を進めるとともに、今後も多様化するネットワーク需要へ柔軟に対応するため、5G 時代に求められるネットワークスライシングを活用したネットワークの研究開発およびサービス提供を推進してまいります。

なお、「次世代クラウドスライシング」の取り組みは、2024 年 1 月 17 日(水)からドコモが開催する「docomo Open Houseʼ24」へ出展します。
https://docomo-openhouse24.smktg.jp/public/application/add/32

※1 ドコモがサービス提供を行う 5GC とパブリッククラウド上に構築した実験環境 5GC を連携した 5G コアネットワーク https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/topics/2021/topics_220301_02.pdf
※2 2024 年 1 月 15 日時点、ドコモ調べ
※3 Quality of Service (QoS) :ネットワーク上のサービス品質。スループット、レイテンシ、ジッタ等を数値化 Quality of Experience (QoE): ユーザーが体感するサービス品質。実際にサービスを利用した際の体感品質を主観/客観評価の手法によって数値化
※4 NTT Com が提供するクラウドネイティブアプリケーションおよび強化された配信と運用のための Platform-as-a-Service テクノロジー https://sandbox-portal.qmonus.ntt.com/
※5 ARM-Powered UPF︓省電力化を実現した HPE ProLiant RL300 Gen11 を用いた高速・低遅延ユーザーデータ伝送可能な ARM アーキテクチャ対応 UPF
※6 UPF on Outposts︓ AWS サービスをローカル・セキュア・低遅延で利用可能な Outposts サーバー上でキャリアグレードの UPF を構築した融合ソリューション
※7 日本電信電話株式会社が推進する、6G・IOWN 時代を見据えた多面的な融合と協調を実現するための基幹となるネットワークアーキテクチャ https://www.rd.ntt/ns/inclusivecore.html
※8 インクルーシブコアを実現する要素技術の一つであり、端末とクラウドでのサービス情報処理を協調させ高速化する技術 https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/10/25/pdf/231025aa.pdf
※9 端末からサービス(本実証では AI を用いた映像解析)を利用する際の通信開始時に、当該のサービスに専用の GPU を即座に割り当て、GPU により高速・高精度な AI 処理を行う機能
※10通信ネットワークに流れているトラフィックのネットワークスライス情報を識別し、スライスごと、加入者ごと、アプリケーションごとの QoS/QoE などネットワーク品質の数値化、品質監視を行う機能

*「Qmonus®」は NTT コミュニケーションズ株式会社の登録商標です。

本件に関する報道機関のお問い合わせ先
株式会社 NTT ドコモコアネットワークデザイン部
NTT コミュニケーションズ株式会社イノベーションセンター
日本電気株式会社テレコムサービス企画統括部

実証実験の概要
1. 目的・概要通

信ネットワークに対する需要の多様化に対応し、お客さまに最適な通信ネットワークの提供を実現するため、利用エリアや時間などの利用用途に応じたネットワークスライスをオンデマンドで生成し、そのネットワークスライスが 5G ネットワーク上で利用可能かを確認する実証実験を行いました。本実証実験は、ドコモ、NTT Com、NEC、Sandvine、日本電信電話株式会社、Hewlett Packard Enterprise 合同で実施しました。

本実証実験では、パブリッククラウド上に構築した 5GC の実験環境と、ドコモが提供する 5G を接続したハイブリッドクラウド環境で動作する 5G ネットワークに対し、オーケストレータによりオンデマンドに利用エリア・時間等の要件に応じたネットワークスライスを構築しました。加えて、ARM-Powered UPF および UPF on Outposts へのスライス収容、トラフィック制御ソリューションおよび GPU アクセラレーション機能を連携し、ネットワークスライスの QoS/QoE などのネットワーク品質が可視化できることを確認しました。

2. 実施期間
2023 年 9 月 21 日(木)~2024 年 1 月 15 日(月)

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