鳥島近海の地震活動の評価

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2023-10-11 地震調査研究推進本部地震調査委員会

〇 鳥島近海(鳥島から南西に約 100 ㎞)では、10 月2日以降、10 月8日までにマグニチュード(M)6.0 を超える地震が4回発生するなど、地震活動が活発な状況が継続していた。一連の地震活動のうち最大の地震は、10 月5日に深さ約 10 ㎞(CMT 解による)で発生した M6.5 の地震で、発震機構は、東北東-西南西方向に張力軸を持つ正断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。この地震により伊豆諸島の八丈島八重根で 0.3m(速報値)の津波を観測した。

〇 さらに、9日 04 時台から 06 時台の間に、地震規模が小さく震源が決まらないものの、T相(注)と考えられる波を伴う地震が少なくとも 14 回発生した。この間の地震活動により、八丈島八重根で 0.6m(速報値)の津波を観測するなど、伊豆・小笠原諸島や千葉県から九州・四国地方にかけての沿岸で津波を観測した。

〇 なお、これ以降は地震活動は低下しているように見える。

〇 今回の地震発生領域とは異なるものの、これまでも鳥島近海(鳥島から北北西に約 110 ㎞)では、例えば 2015 年5月3日に M5.9 の地震により八丈島八重根で 0.6m の津波を観測したほか、千葉県から沖縄県にかけての太平洋沿岸で微弱な津波を観測している。このほか、1984 年6月 13 日に M5.9、2006 年1月1日に M5.9、 2018 年5月6日に M5.7 の地震により津波が発生するなど、10 月9日の地震と同様に、M6.0 程度以下の規模にもかかわらず津波を観測している。

〇 この地域では、比較的規模の小さな地震でも津波が発生していることから当面の間注意が必要である。

注:地震波が海底面で音波に変換され海中を伝わったもの。

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1702地球物理及び地球化学
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