発電所の排煙から CO2 を取り除くシンプルな材料 (This Simple Material Could Scrub Carbon Dioxide From Power Plant Smokestacks)

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2022-11-02 アメリカ国立標準技術研究所(NIST)

・ NIST、シンガポール国立大学、シンガポール科学技術研究庁(A★STAR)、デラウェア大学およびカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)が、金属有機構造体(MOFs)の一種であるギ酸アルミニウム(ALF)の優れた CO2 除去能力を実証。
・ 3D ケージ構造の ALF は、石炭火力発電所からの燃焼排ガスに含まれる CO2 を除去する、経済的で再利用可能な材料として期待できる。CO2 を捕獲しながら燃焼ガス中の窒素分子を取り除けるサイズの無数の微細孔を持つ。
・ 多孔質の MOFs は、化石燃料から様々な炭化水素をフィルタリング・分離する優れた機能を備える。天然ガスの精製、ガソリンのオクタン成分の分離、プラスチック製造コストの低減等のアプリケーシ
ョンで期待できる種類のものもある。
・ 様々なガスが混在する燃焼排ガスは極めて高温度で水蒸気を含み、腐食性のため、効率的に作用する安価なスクラバーの作製が難しい。優れた働きをする他の MOFs は、高価な材料の使用や、安価であっても除去プロセス全体のコストをつり上げる除湿プロセスの必要性等の課題がある。
・ 単純な組成で高耐久性、さらに製造が容易な ALF は、他の高性能 CO2 吸着物質を上回る性能を提供する。容易に入手できる豊富な水酸化物とギ酸から作製できるため、極めて低コストで幅広く利用できる可能性がある。
・ 水酸化物とギ酸のコストは 1kg 当たり 1 ドルを下回り、同等の性能を有する他の材料の 1/100。発
電所一ヶ所での炭素捕獲には数万トンものフィルタリング材料が必要となることから、材料の低コストは重要な要素。
・ ただし、ALF の実用化には、大規模な製造方法の開発に加え、石炭火力発電所での燃焼排ガスの除湿プロセスが必要となる。ALF の使用コストが大きな負担にならないような、この課題への対処策を講じている。
・ 捕獲した CO2 の利用方法も主要な課題の一つ。燃焼排ガスからの CO2 除去プロセスサイクルの一部に ALF を導入するアイデアでは、除去した CO2 でギ酸を作製し、このギ酸を使用してさらに ALFを作製して物質循環の全体的な影響とコストの低減を図ることができる。
・ 捕獲した CO2 の利用方法に関する研究は多く実施されているが、最終的には太陽エネルギーによる水電解で得た水素と捕獲した CO2 でギ酸を作製することも可能。これを ALF と組み合わせれば、環境保護の解決策となり得る。
URL: https://www.nist.gov/news-events/news/2022/11/simple-material-could-scrub-carbon-dioxide-power-plant-smokestacks

<NEDO海外技術情報より>

関連情報

Science Advances 掲載論文(フルテキスト)
Aluminum formate, Al(HCOO)3: An earth-abundant, scalable, and highly selective material for CO2
capture
URL: https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.ade1473

Abstract

A combination of gas adsorption and gas breakthrough measurements show that the metal-organic framework, Al(HCOO)3 (ALF), which can be made inexpensively from commodity chemicals, exhibits excellent CO2 adsorption capacities and outstanding CO2/N2 selectivity that enable it to remove CO2 from dried CO2-containing gas streams at elevated temperatures (323 kelvin). Notably, ALF is scalable, readily pelletized, stable to SO2 and NO, and simple to regenerate. Density functional theory calculations and in situ neutron diffraction studies reveal that the preferential adsorption of CO2 is a size-selective separation that depends on the subtle difference between the kinetic diameters of CO2 and N2. The findings are supported by additional measurements, including Fourier transform infrared spectroscopy, thermogravimetric analysis, and variable temperature powder and single-crystal x-ray diffraction.
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