簡便な製造方法で油と水を結合させたナノ粒子ゲル

ad
ad

(Nanoparticle Gel Unites Oil and Water in Manufacturing-Friendly Approach)

2021/2/10 アメリカ合衆国・国立標準技術研究所(NIST)

簡便な製造方法で油と水を結合させたナノ粒子ゲル

・ NIST とデラウェア大学が、様々な産業用途が期待できる優れた特性を備えたナノ粒子ゲル、「SeedGel(solvent segregation driven gel)」を開発。
・ 電池、浄水フィルターや色調を変えるスマートウインドウ等に利用できる、水、油と二酸化ケイ素のナノ粒子から成る「SeedGel」は、従来よりも容易に製造できるため、商業化の可能性が見込める。
・ このようなナノ粒子ゲルの開発は、10 年以上にわたり集中的に研究されている分野。ナノ粒子ゲルの有用性の一要因は、スポンジ状の構造を作る、ゲル内部でナノ粒子の相互接続が構築する微細なチャネルにある。
・ これらのチャネルは物質の移動経路としてろ過機能を提供するだけでなく、化学反応高速化の促進や生体組織成長のスキャフォールド(足場)に有用となる、広い表面積をゲルに付与する。
・ 混ざり合わない 2 種類の溶液の界面にカスタム設計したナノ粒子を配置することでゲルが形成されるが、これはアプリケーション毎のナノ粒子設計や、慎重な制御による急激な温度変化を要する煩雑なプロセス。そのため、産業規模での大量な製造が困難となっている。
・ 新製造方法では、2 種類の溶液の界面に留まるようにナノ粒子を設計する代わりに、選択されたナノ粒子がどちらか一方の溶液に集まるようにする。これらのナノ粒子は互いに反発し合うが、一方の溶液への強力な親和性によりチャネル内に保持される。中性子分散ツールを用いた調査により、任意の場所にナノ粒子を集められることを確認した。
・ 新ナノ粒子ゲルは、優れた機械的強度と光学特性を有し、その容易な製造プロセスはスケーラブル。特に、温度変化で透明・不透明を切り替えられる光学特性は、2 枚のガラスでナノ粒子ゲル層を挟んだスマートウインドウやセンサー等の感光性アプリケーションに有用となる。
・ 同製造プロセスは他の溶液やナノ粒子の組合せにも適用できることから、使用するナノ粒子の種類によって浄水フィルターや他のフィルタリングプロセスにも利用できる。
・ ゲル形成プロセスにおいて温度変化の速度を変えることでゲル内のチャネルのサイズを調整できるため、自由なアプリケーション設計が可能となる。
URL: https://www.nist.gov/news-events/news/2021/02/nanoparticle-gel-unites-oil-and-water-manufacturing-friendly-approach

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Nature Communications 掲載論文(フルテキスト)
Tunable thermo-reversible bicontinuous nanoparticle gel driven by the binary solvent segregation
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-020-20701-3

Abstract

Bicontinuous porous structures through colloidal assembly realized by non-equilibrium process is crucial to various applications, including water treatment, catalysis and energy storage. However, as non-equilibrium structures are process-dependent, it is very challenging to simultaneously achieve reversibility, reproducibility, scalability, and tunability over material structures and properties. Here, a novel solvent segregation driven gel (SeedGel) is proposed and demonstrated to arrest bicontinuous structures with excellent thermal structural reversibility and reproducibility, tunable domain size, adjustable gel transition temperature, and amazing optical properties. It is achieved by trapping nanoparticles into one of the solvent domains upon the phase separation of the binary solvent. Due to the universality of the solvent driven particle phase separation, SeedGel is thus potentially a generic method for a wide range of colloidal systems.

0500化学一般
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました