2021-03-23 地震調査委員会
*防災科学技術研究所資料
○ 3月 20 日 18 時 09 分に宮城県沖の深さ約 60km でマグニチュード(M)6.9(暫定値)の地震が発生した。今回の地震により宮城県で最大震度5強を観測し、被害を伴った。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ その後、M6.9 の地震の震源を含む東西約 30 ㎞、南北約 30 ㎞の領域で、3月 22 日 18 時までに最大震度1以上を観測した地震が 26 回発生するなど、地震活動は継続している。22 日 18 時までの最大の地震は、20 日 18 時 13 分に発生した M4.2(暫定値)の地震である。
○ GNSS観測の結果では、今回の地震に伴って、宮城県登米(とめ)市の南方(みなみかた)観測点と栗原市の高清水(たかしみず)観測点が東南東にそれぞれ2 cm 強移動するなどの地殻変動が、宮城県を中心に広い範囲で観測された。
〇 今回の地震の地震活動の分布や GNSS 観測及び地震波の解析結果から、震源域は牡鹿(おしか)半島沿岸から沖合にかけての領域と考えられる。この震源域は、 1978 年宮城県沖地震(M7.4)の震源域の西側の一部に重なる可能性があるが、詳細は今後の調査観測結果等を踏まえさらに検討を行う必要がある。