「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」以降の地震活動の評価

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2021-03-09 気象庁,地震調査研究推進本部地震調査委員会

「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」(以下、東北地方太平洋沖地震、モーメントマグニチュード(Mw)9.0)の余震活動は、岩手県沖から千葉県東方沖にかけての領域におよぶ広い範囲(以下、余震域)で継続している。東北地方太平洋沖地震の発生から約 10 年が経過し、余震域内の地震活動は全体として東北地方太平洋沖地震前の状態に近づきつつあるが、1年あたりの地震の発生数は、依然として東北地方太平洋沖地震前より多い状態が続いており、先月 13 日には福島県沖で規模の大きな地震(マグニチュード(M)7.3)も発生した。また、東日本の広い範囲及び余震域の海底で、余効変動と考えられる地殻変動が引き続き観測されている。時間の経過とともに余効変動は大局的に小さくなっているものの、東北地方太平洋沖地震前の動きには戻っていない。
東北地方太平洋沖地震発生から現在までの地震活動及び地殻変動の推移、他の巨大地震における事例も踏まえると、余震域内では現状程度の地震活動が当分の間続くと考えられる。一方、「日本海溝沿いの地震活動の長期評価(平成 31 年2月 26 日公表)」(以下、長期評価)では、青森県東方沖から房総沖までの太平洋沿岸を含む日本海溝沿いの領域は、国内の他の海溝沿いの領域に比べて定常的に地震活動が活発で、規模の大きな地震が高い確率で発生すると評価した。
以上のような地震活動等の状況や他の巨大地震における事例、長期評価を踏まえて総合的に判断すると、今後も長期間にわたって、余震域や内陸を含むその周辺で規模の大きな地震が発生し、強い揺れや高い津波に見舞われる可能性があることに注意が必要である。

詳しい資料は≫

1702地球物理及び地球化学
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