逆転の発想でSiCパワー半導体の高品質化に成功~非酸化による酸化膜形成で高品質化10倍~

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2020-08-24 京都大学

 木本恒暢 工学研究科教授、松下雄一郎 東京工業大学特任准教授、小林拓真 同博士研究員らの研究グループは、省エネの切り札と言われるSiC(シリコンカーバイド)半導体で20年以上にわたって大きな問題になっていた欠陥(半導体の不完全性)を1桁低減し、約10倍の高性能化に成功しました。

 Si(シリコン)を中心とした半導体は、計算機のロジックやメモリだけでなく、電気自動車、電車のモータ制御、電源などに広く用いられていますが、消費電力(電力損失)が大きな問題となっています。近年、低損失化を目指して、Siよりも性質の優れたSiCによるトランジスタ開発が活発になり、実用化が始まりました。

 しかしSiCトランジスタの心臓部となる酸化膜とSiCの境界部分(界面)に多くの欠陥が存在し、SiC本来の性能を全く発揮できない状況が20年続いていました。本研究グループは、欠陥の主要因がSiCの酸化であることを突き止め、SiCを酸化せずに表面に酸化膜を形成することによって、現在の世界標準に比べて10倍という世界最高の特性を達成しました。今回の技術により、普及が進む電気自動車や産業機器などへの、低損失SiCデバイス適用が急速に拡大し、エネルギー問題にも大きく貢献できます。

 本研究成果は、2020年8月14日に、国際学術誌「Applied Physics Express」に掲載されました。

図:超高品質SiO2/SiC界面の形成

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