対称性に基づいた超伝導体のトポロジーの判定法の確立

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トポロジカル超伝導体の候補物質探索における指針として期待

2020-05-02 東京大学,科学技術振興機構

ポイント
  • トポロジカル超伝導体の候補となる物質の探索に有用な新理論を構築した。
  • 各物質を特徴付けるバンド構造に現れる空間群の表現に基づいて超伝導体のトポロジーを判定する手法を確立。
  • 本提案手法を用いてトポロジカル超伝導体の候補物質が見つかれば、今後の量子コンピューターの実用化を後押しすることが期待される。

電気抵抗がゼロになるという著しい性質を示す「超伝導体」はMRIなど既に実生活のさまざまな場面で実用化されている。その中でも「トポロジカル超伝導体」と呼ばれる種類のものは表面にマヨラナ粒子が現れることが知られており、その量子コンピューターへの応用可能性から世界中で注目され活発な研究が行われている。しかし、「トポロジカル超伝導体」の性質を示す現実の物質の候補は極めて少数に限られているのが現状である。

東京大学 大学院工学系研究科 物理工学専攻の小野大学院生と渡邉准教授は、米国マサチューセッツ工科大学のPo研究員との国際共同研究で、トポロジカル超伝導体の新候補物質の探索に役立つ包括的な理論を提案した。

この提案をもとに実際にトポロジカル超伝導体の新しい候補物質が見つかれば、今後のトポロジカル量子コンピューターの開発に結び付くことが期待される。

本研究成果は2020年5月2日(米国東部夏時間)に米国科学誌「Science Advances」オンライン版に掲載予定である。

本研究成果は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 さきがけ 研究領域「トポロジカル材料科学と革新的機能創出」(研究総括:村上 修一)研究課題「対称性の表現に基づくトポロジカル材料の探索(研究者:渡邉 悠樹)」(No.JPMJPR18LA)の支援を受けて行われた。

詳しい資料は≫
1601コンピュータ工学1701物理及び化学
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