平成31年2月の地殻変動

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2019-03-08  国土地理院

全国の地殻変動概況

別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2019年1月下旬から2019年2月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。九州北部・四国西部では、平成30年(2018年)春頃から始まったプレート間のゆっくりすべり(スロースリップ現象)に伴う地殻変動が見られます。先島諸島では、これまでの傾向とは異なる地殻変動が見られます。また、東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。

トピックス
  • 2月21日に発生した北海道胆振地方中東部の地震(M5.8、最大震度6弱)では、GNSS観測及びだいち2号によるSAR干渉解析結果によると、有意な地殻変動は観測されていません。(別紙8)
  • 九州北部・四国西部では、それまでの傾向とは異なる地殻変動が検出されています。この変動は、豊後水道周辺のフィリピン海プレートと陸のプレートの境界深部における長期的ゆっくりすべり(スロースリップ現象)によるものと推定されます。(別紙9)
  • 先島諸島では、2月中旬頃に「多良間」において南方向に約1cm(暫定値)移動するなどの地殻変動が観測されました。(別紙10)
  • 吾妻山周辺では、2018年5月頃から山体の膨張を示す地殻変動が見られています。(別紙11)
  • 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙12)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起、「硫黄島2」は南向きの変動が継続しています。(別紙13)
  • 霧島山周辺では、霧島山を挟む基線で2018年9月頃から伸びの傾向が鈍化しています。(別紙14)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で「鹿児島福山」-「隼人」等でわずかな伸びが見られます。桜島島内の一部の基線では、わずかな縮みが見られます。(別紙15)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙16)
補足説明
  • 全国の1年間の地殻変動(2018年2月下旬から2019年2月下旬まで、別紙17)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 平成30年北海道胆振東部地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
参考資料

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」以降の地殻変動

問い合わせ先
国土交通省国土地理院
測地観測センター      地震調査官     黒石 裕樹    
測地観測センター      地殻監視課長    真野 宏邦    
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  矢来 博司
1700応用理学一般1702地球物理及び地球化学
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