平成30年10月22日(月曜日)から11月2日(金曜日)まで、ホバート(豪州)において、「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR) 第37回 年次会合」が開催され、メロとオキアミの資源管理措置が決定されました。また、海洋保護区(MPA *1)について協議が行われ、ウェッデル海、東南極、南極半島西岸における海洋保護区の設置について引き続き協議されることとなりました。
*1 MPA:Marine Protected Area
1.南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)とは
「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR*2)」は、南極の海洋生物資源の保存管理のために1982年に設立された地域漁業管理機関で、現在、我が国を含む24か国とEUが加盟しています。年1回開催される年次会合において、メロ、オキアミ等の資源管理措置を決定しています。
なお、本条約水域において、我が国底はえ縄漁船1隻がメロを対象として操業しています。
*2 CCAMLR:Commission for the Conservation of Antarctic Marine Living Resources
2.開催日程及び場所
日程: 平成30年10月22日(月曜日)~11月2日(金曜日)
場所: ホバート(豪州)
3.参加国・地域
日本、豪州、チリ、アルゼンチン、フランス、ドイツ、ニュージーランド、南アフリカ、英国、米国、ノルウェー、ベルギー、ポーランド、韓国、スペイン、ロシア、スウェーデン、イタリア、インド、ウクライナ、ウルグアイ、中国、EU
4.我が国出席者
森下 丈二(もりした じょうじ)農林水産省顧問(東京海洋大学教授、 我が国代表)ほか、水産庁、外務省、国立研究開発法人 水産研究・教育機構、国立極地研究所及び関係業界の関係者
5.結果概要
(1) 2019年漁期(2018年12月-2019年11月)のメロ、オキアミの保存管理措置
(ア)メロ
メロの総漁獲可能量(TAC *3)が11,629トン(前年漁期: 11,146トン)と決定されました。我が国漁船の操業が認められた海域のTACは、合計で4,441トン(前年: 4,339トン)となりました。
また、現在閉鎖(操業禁止)されている海域において、メロ資源状況の調査を行うことを目的とする我が国の調査計画が昨年に引き続き認められました。
*3 TAC: Total Allowable Catch
(イ)オキアミ
オキアミのTACが869.5万トン(前年漁期同)と決定されました。(我が国漁船の操業はない)
(2) 海洋保護区(MPA)の設置
ウェッデル海、東南極、南極半島西岸における海洋保護区の設置提案について協議が行われましたが、合意に至らず、引き続き協議することとなりました。
(3) 次回年次会合
次回年次会合は、平成31年(2019年)10月にホバート(豪州)で開催予定です。
6.その他
平成30年10月19日付けプレスリリース「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR) 第37回 年次会合」の開催について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/181019.html
<添付資料>
南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)の概要(PDF : 117KB)
南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)の概要
1.目的
南極の海洋生物資源(海鳥を含む)の保存(合理的な利用を含む)
2.我が国の参加
署名:昭和55年(1980年)9月20日
発効:昭和57年(1982年)4月7日(我が国は発効時から参加)
3.加盟国(24か国1地域機関:平成30年(2018年)9月現在)
日本、豪州、チリ、アルゼンチン、フランス、ドイツ、ニュージーランド、
南アフリカ、英国、米国、ノルウェー、ベルギー、ポーランド、韓国、ブラジ ル、
スペイン、ロシア、スウェーデン、イタリア、インド、ウクライナ、ウル グアイ、
ナミビア、中国、EU。
4.CCAMLRと我が国漁業
本条約水域において、我が国底はえ縄漁船1隻がメロを対象として操業。
5.主な保存管理措置
メロ及びオキアミの総漁獲可能量(TAC)、CCAMLR水域で操業する
際の旗国による許可制、漁船へのVMS(衛星による自動位置モニタリングシ ステム)
の設置、漁船入港時の検査と必要な場合の水揚げ拒否、メロの漁獲証 明制度等
6.CCAMLR水域 (下図:赤枠内)
お問合せ先
資源管理部国際課 担当者:荒、山田(千)