2021-09-27 京都大学
田端千紘 複合原子力科学研究所助教、木俣基 東北大学准教授、野尻浩之 同教授、栗田謙亮 同博士課程学生、是常隆 同准教授、中村哲也 同教授、雀部矩正 高輝度光科学研究センター博士研究員、小谷佳範 同主幹研究員、横山優一 同博士研究員、山崎裕一 物質・材料研究機構主幹研究員、中尾裕則 高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所准教授、雨宮健太 同教授、中辻知 東京大学教授らの研究グループは、磁石のミクロな起源である電子スピンが互いに打ち消しあう反強磁性と呼ばれる状態の中に潜んだ「磁気八極子(磁気オクタポール)」を放射光X線実験から明らかにしました。
今回検出された磁気八極子は、従来のスピンよりも高速制御が可能で、スピントロニクスデバイスなどの大幅な高速化にも貢献すると期待されています。本研究の成果は新規なスピントロニクスや熱電変換機能を生み出す起源を探る新たな手法の提案であるとともに、放射光を用いたX線磁気分光や共鳴X線散乱の新たな可能性を拓くものです。
本研究成果は、2021年9月22日に、国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。
図:大きな熱電効果を示す反強磁性体Mn3Snのスピン配列と実験配置の模式図
研究者情報
研究者名:田端千紘