NanoTerasuで蓄積電流400mA安定運転の早期実現に成功～放射光強度を倍増し、先端研究を加速～

国立研究開発法人QSTのNanoTerasuで、世界最高水準となる蓄積電流400mAの安定運転が予定より半年以上早く実現された。従来は200mA以下で運転されていたが、新たな検出器とエネルギーフィードバック技術により電子ビーム不安定性を克服し、光強度を令和6年度比で倍増させることに成功。これによりNanoTerasuの軟X線放射光は国内既存施設の100倍の輝度を持ち、世界最高性能の分析装置で扱える試料数が倍増する。成果は加速器調整時間内の試験で確認され、350mAで8時間以上の安定運転も実現済み。今後は放射光供給時間内で400mA運転を段階的に導入し、次世代デバイス、材料科学、ライフサイエンス分野での研究開発を加速させる計画である。