令和6年11月の地殻変動

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024-12-09 国土地理院

国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2024年10月下旬から2024年11月下旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙1~7のとおりです。
東北地方を中心に平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。宮崎県南部を中心に8月8日に発生した日向灘の地震後の余効変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

令和6年11月の地殻変動

トピックス
  • 11月26日に発生した石川県西方沖の地震(M6.6、最大震度5弱)では、GNSS観測によると、電子基準点「志賀A」において、西方向に1cm程度の変動が見られるなど、震源域周辺で小さな地殻変動が観測されました。(別紙8)
  • 宮崎県南部を中心に、8月8日に発生した日向灘の地震(M7.1、最大震度6弱)後の余効変動と考えられる地殻変動が見られます。(別紙9)
  • 能登半島及びその周辺では、1月1日に発生した令和6年能登半島地震(M7.6、最大震度7)後の余効変動と考えられる地殻変動が見られます。(別紙10)
  • 紀伊半島南部では、2020年初頭からそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この変動は、紀伊半島周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。なお、この変動は2024年秋頃から停滞しています。(別紙11)
  • 静岡県西部から愛知県東部では、2022年初頭からそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この変動は、東海周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙12)
  • 四国中部で、2019年春頃から観測されているそれまでの傾向とは異なる地殻変動は、2024年秋頃から鈍化しているように見えます。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙13)
  • 岩手山では、岩手山周辺の「雫石」-「岩手松尾」等の基線で、2024年4月頃から伸びが見られます。また、だいち2号及びだいち4号によるSAR干渉解析結果によると、大地獄谷周辺及び岩手山西部周辺に衛星に近づく変動が見られます。(別紙14)
  • 浅間山では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」では南向きの変動が継続しています。(別紙16)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「鹿児島福山」等の基線で2023年9月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年12月頃から停滞しています。(別紙17)
  • 薩摩硫黄島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙18)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙19)
  • 諏訪之瀬島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙20)
補足説明
  • 全国の1年間(2023年11月下旬から2024年11月下旬まで)の地殻変動からは、以下のような傾向が見られます。(別紙21)
    ・東北地方を中心とした広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    ・能登半島及びその周辺では、1月1日に発生した令和6年能登半島地震に伴う地殻変動が見られます。
    ・宮崎県南部を中心に、8月8日に発生した日向灘の地震に伴う地殻変動が見られます。
    ・硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    ・その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
出典

本資料を利用する際は、国土地理院コンテンツ利用規約に従ってご利用ください。
なお、利用にあたっては、出典の記載をお願いします。
(出典記載例) 「出典:国土地理院」

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
(電子基準点等による地殻変動に関すること)
測地観測センター 地殻監視課長 宮本 純一

(だいち2号観測データの解析結果に関すること)
測地部 宇宙測地課長 栗原 忍

(GNSSデータから推定されたすべり分布に関すること)
地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 宗包 浩志

1702地球物理及び地球化学
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