データセンターの電力消費量を低減できるコンピューターチップのエネルギー効率のブレイクスルー (Breakthrough in computer chip energy efficiency could cut data center electricity use)

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2023-05-23 アメリカ合衆国・オレゴン州立大学 (OSU)

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・ OSU とベイラ―大学が、データセンターやスーパーコンピューターに使用されているフォトニックチップのエネルギー消費量を低減する技術を開発。
・ フォトン(光の粒子)を利用して超高速・エネルギー高効率データ通信を可能にしているフォトニックチップは、将来のデータセンターやスーパーコンピュータ―の高速通信の土台を形成する重要な構成要素だが、その温度の安定性と高性能の維持に大量のエネルギーを消費している。
・ 本研究では、エネルギー効率の極めて高い方法を通じてフォトニックチップを劣化させる温度変化を補う技術により、温度制御に要するエネルギー量を百万分の一以下に低減することが可能であることを提示。フォトニックチップのプロトタイプを作製し、ゲート電圧を使った温度制御を実証した。
・ フォトニック産業では、高速の電気光学デバイスの波長の微調整とその性能の最適化を「サーマルヒーター」として知られる部品に依存しているが、この部品がデバイス毎に数 mW の電力を消費している。
・ 標準的な LED 電球の消費電力が 6~10W であることを考えると数 mW は少ないように見えるが、デバイスが数百万個となると電力量は膨大になり、システムのスケールアップで大規模化・高性能化した場合、「サーマルヒーター」のアプローチは困難な課題に直面する。
・ 新技術は環境に優しいアプローチであり、ChatGPT のような機械学習駆動のより高性能なアプリケーションに罪悪感なくアクセスできるよう、より少ないエネルギーでデータセンターのさらなる高速化や高性能化を支えるもの。
・ 米国エネルギー省(DOE)によると、データやアプリケーションを保存、処理、分配するデータセンターでは、床面積 1 平方フィート当たりのエネルギー消費量が一般的なオフィスビルの最大 50 倍で、データセンターは米国の電力全消費量の約 2%を占めている。
・ また、米国際貿易委員会(USITC)によると、データセンターの数はデータ需要の急上昇に伴って急増しており、Facebook や Google 等を始めとする膨大なデータを生産・消費する多数の企業が存在する米国には、2,600 ヶ所を超えるデータセンターがある。
・ 本研究は、Intel、米国航空宇宙局(NASA)および米国立科学財団(NSF)が支援した。
URL: https://today.oregonstate.edu/news/breakthrough-computer-chip-energy-efficiency-could-cut-data-center-electricity-use

<NEDO海外技術情報より>

関連情報

Scientific reports 掲載論文(フルテキスト)
On-chip wavelength division multiplexing filters using extremely efficient gate-driven silicon microring
resonator array
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-023-32313-0

Abstract

Silicon microring resonators (Si-MRRs) play essential roles in on-chip wavelength division multiplexing (WDM) systems due to their ultra-compact size and low energy consumption. However, the resonant wavelength of Si-MRRs is very sensitive to temperature fluctuations and fabrication process variation. Typically, each Si-MRR in the WDM system requires precise wavelength control by free carrier injection using PIN diodes or thermal heaters that consume high power. This work experimentally demonstrates gate-tuning on-chip WDM filters for the first time with large wavelength coverage for the entire channel spacing using a Si-MRR array driven by high mobility titanium-doped indium oxide (ITiO) gates. The integrated Si-MRRs achieve unprecedented wavelength tunability up to 589 pm/V, or VπL of 0.050 V cm with a high-quality factor of 5200. The on-chip WDM filters, which consist of four cascaded ITiO-driven Si-MRRs, can be continuously tuned across the 1543–1548 nm wavelength range by gate biases with near-zero power consumption.

0403電子応用
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