2025-04-04 産業技術総合研究所
産業技術総合研究所(産総研)は、岩手県北東部の詳細な地質情報をまとめた5万分の1地質図幅「門(かど)」を刊行しました。この地域は、岩泉町、葛巻町、盛岡市を含み、北上山地北部に位置します。2019年から2023年にかけて約300日間の地表踏査を実施し、顕微鏡観察や微化石抽出などの室内作業を行い、精緻な地質図を作成しました。
◆調査の結果、約2億年前から約1.5億年前に形成された北部北上帯の付加体を、岩石の種類や形成年代に基づいて6つのユニットに区分し、それらが古いものから順に概ね西から東へ並んでいることが明らかになりました。この詳細な地質情報は、道路などの維持管理や建設の基礎資料として活用が期待されます。
◆さらに、本図幅地域は三陸ジオパークの一部を含み、岩泉町ではモシリュウ化石の発見などをきっかけに地学教育が盛んに行われています。今回の地質図は、岩手県や地元自治体、ジオパークの教育活動にも貢献することが期待されます。
(A) 門図幅地域の位置図、(B) 門図幅地域の地質概略図(5万分の1地質図幅「門」より編集)
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