エネルギー微分を直接計算し分子構造最適化を実現 ~量子コンピューターによる化学計算の社会応用へ大きな一歩~

ad
ad

2022-11-29 大阪公立大学,科学技術振興機構

ポイント
  • 量子コンピューターを活用し、有限差分法による微分値を1回の計算から直接求めるための具体的な量子論理回路を初めて明らかに。
  • 今後、さまざまな分子物性の精密計算が量子コンピューター上で可能となることを示唆。

大阪公立大学 大学院理学研究科の杉﨑 研司 特任講師(科学技術振興機構・さきがけ 専任研究者)、佐藤 和信 教授、工位 武治 大阪市立大学 名誉教授らの研究チームは、量子コンピューターを用いて、有限差分法による微分値を1回の計算から直接求めるための量子論理回路を導出し、分子の最安定な立体構造を求める分子構造最適化へと応用しました。

有限差分法で1変数関数の微分計算を行うには、古典コンピューターでは少なくとも2回の関数値の計算が必要となります。これに対し、量子コンピューターを使えば有限差分法での微分を1回の計算から求められることが先行研究で示されていますが、微分計算を行うための具体的な量子回路は導出されていませんでした。本研究グループは、以前に開発した量子位相差推定アルゴリズムで用いる量子論理回路を改良することにより、微分計算のための量子論理回路の導出に成功しました。

本研究成果は、国際学術誌「The Journal of Physical Chemistry Letters」に2022年11月29日(火)(日本時間)にオンライン掲載予定です。

本研究は、JST さきがけ「量子化学計算の高効率量子アルゴリズムの開発」(JPMJPR1914)、JSPS 科研費基盤研究C(21K03407)の対象研究です。

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Quantum Algorithm for Numerical Energy Gradient Calculations at the Full Configuration Interaction Level of Theory”
DOI:10.1021/acs.jpclett.2c02737
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
杉﨑 研司(スギサキ ケンジ)
大阪公立大学 大学院理学研究科 特任講師

工位 武治(タクイ タケジ)
大阪市立大学 名誉教授

<JST事業に関すること>
嶋林 ゆう子(シマバヤシ ユウコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ

<報道担当>
大阪公立大学 広報課(担当:國田(クニダ))
科学技術振興機構 広報課

タイトルとURLをコピーしました