2022-06-03 英国・バーミンガム大学
・ バーミンガム大学が、データ伝送効率を向上させる、5G・Beyond 5G 等のブロードバンドモバイル通信に向けたビームステアリングアンテナ技術を開発。
・ 広帯域幅の継続的なビームステアリングを提供し、動くオブジェクトを追跡するパラボラアンテナのように、移動中の携帯電話ユーザーをより高速で追跡。特に、現在は機械的で遅いアンテナのステアリングでのみ高い効率性が得られている、5G(ミリ波)と 6G の帯域幅でのデータ伝送効率の大幅な向上を実証した。
・ 新アンテナのプロトタイプでは、5G ミリ波アプリケーションの 26GHz で前例のない優れたデータ伝送効率を達成。現行のモバイル通信ネットワークに使用されている 5G 仕様にも適合し、標準的なアンテナシステムに必要な複雑で非効率的な給電ネットワークの代わりに、アンテナ性能を向上させて製造が容易な低複雑性のシステムを利用する。
・ メタ材料ベースのアンテナ技術で、プロトタイプは iPhone ほどの小型サイズ。規則的に並ぶミリミートル径の孔のアレイを持つ金属シートを利用。アクチュエーターがメタ材料のキャビティーの高さをミリメートルスケールで制御する。
・ アンテナは、キャビティーの位置に応じてビームを高指向性の信号に効果的に集束してから、このエネルギーを任意の方向に転換し、伝送効率性を向上しながら電波ビームの方向を制御する。
・ 現在、より高い周波数帯域と 5G モバイル通信を超えるアプリケーションに向けたプロトタイプの開発と試験を実施中。新技術は 5G での利用に向けて開発したが、現在のモデルでは 300GHz での 94%の効率達成の可能性を確認している。
・ シンプルな設計と低コストの構成要素、またコンパクトな電子機器構造のため、産業での初期の導入や限られたスペースでの利用に役立つ。5G・6G アプリケーション、また衛星や IoT 等での幅広い利用が可能。
・ 車両間や車両-インフラ間のレーダーや衛星通信に加え、自動車、レーダー、宇宙・防衛アプリケーションでの次世代利用も期待できる。University of Birmingham Enterprise が同技術の特許を出願し、製品の共同開発やライセンシングに向けてパートナーを探している。
URL: https://www.birmingham.ac.uk/news/2022/beam-steering-technology-takes-mobile-communications-beyond-5g
<NEDO海外技術情報より>
関連情報
16th European Conference on Antennas and Propagation (EuCAP), 2022 発表論文(アブストラクトの
み:全文は有料)
Enhanced Data Throughput Using 26 GHz Band Beam-Steered Antenna for 5G Systems
URL: https://ieeexplore.ieee.org/document/9769023
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IEEE Transactions on Antennas and Propagation 掲載論文(フルテキスト)
Continuous Beam-Steering Low-Loss Millimeter-Wave Antenna Based on a Piezo-Electrically
Actuated Metasurface
URL: https://ieeexplore.ieee.org/document/9664437
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50th European Microwave Conference (EuMC), 2020 発表論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Electro-Mechanically Tunable Meta-Surfaces for Beam-Steered Antennas from mm-Wave to THz
URL: https://ieeexplore.ieee.org/document/9338142
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IEEE International Symposium on Antennas and Propagation and North American Radio Science
Meeting 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
THz Leaky-Wave Antenna Beam Steering With Low Loss Dynamic Tuning
URL: https://ieeexplore.ieee.org/document/9330438