2022-02

0109ロボット

ヒトの運動を支援するロボット~動作意図推定に基づく装着型アシストロボット制御を実現~

膝関節に着ける軽量の「装着型アシストロボット」を開発し、装着者の動作意図を推定することで適切な運動を支援する手法を提案しました。ロボットを活用した支援技術として、超高齢社会に貢献するものと期待できます。カーボン樹脂でできたフレームに空気圧人工筋アクチュエーターを内蔵しました。制御手法として、装着者から計測される筋活動と関節運動の情報に基づき、装着者の意図した動作に合わせた適切な制御則により駆動させるアルゴリズムを開発しました。部分的にラベル付けされた情報から装着者の動作意図を精度よく判別する「機械学習技術」と、制御目的を達成するための制御入力をヒトの身体特性を考慮した評価関数に基づいて計算する「最適制御技術」を組み合わせることで実現しました。
0501セラミックス及び無機化学製品

酸性環境で駆動する非貴金属水電解触媒~固体高分子型(PEM)水電解を用いた水素製造へ~

水の電気分解の効率化に向け、酸性環境で駆動する非貴金属材料としては世界最高の活性と安定性を兼ね備えた触媒「Co2MnO4」の開発に成功しました。水の電気分解による水素製造の脱貴金属化を促進し、環境親和性のさらなる向上につながると期待できます。コバルトとマンガンの2種類の元素を組み合わせることで、活性と安定性を兼ね備えた触媒開発に成功しました。開発したCo2MnO4触媒は、強酸性環境においても200mA/cm2の電流密度で1,000時間以上機能します。また、既存の非貴金属触媒と比較し、おおよそ100倍程度の量の水を電気分解できます。
1903自然環境保全

新型コロナウイルス感染拡大に由来するとみられるプラスチックゴミをウミガメが摂食していることを確認しました

ウミガメが不織布マスクを摂食していることに加え、一般的に販売されている不織布マスクから環境ホルモンが検出されることを確認しました。ウミガメへの物理的・化学的影響が懸念されるとともに、新型コロナウイルス感染拡大に由来する個人用防護具における廃棄物管理の徹底が必要です。
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0502有機化学製品

ルーフ配位子で位置選択的合成に成功~遠隔位立体制御によるメタ位選択的ホウ素化反応~

新たに設計した「ルーフ配位子」を持つイリジウム触媒を用いて、芳香族炭化水素の選択的な官能基化反応の開発に成功しました。医農薬品や機能性分子の選択的かつ効率的な合成手法の開発に貢献すると期待できます。
1701物理及び化学

伝導電子と局在スピン・軌道が織りなす悪魔の調律 ~多極子の衣をまとった電子「多極子ポーラロン」を発見~

セリウム・アンチモンが示す「悪魔の階段」の相転移において、多極子と呼ばれる局在スピン・軌道と強く相互作用する伝導電子が準粒子として振る舞う「多極子ポーラロン」を発見しました。「悪魔の階段」で発生する局在スピン・軌道配列の変調に合わせて、自在に相互作用の強さを変える「多極子ポーラロン」の特殊な振る舞いを明らかにしました。
0109ロボット

ヒトのように表情をつくれるアンドロイドを開発~ヒトと機械をつなぐ感情コミュニケーションに期待~

ヒトのように表情をつくれるアンドロイド(ヒト型ロボット)を開発し、その妥当性を心理実験で実証しました。アンドロイドが表情を通してヒトと感情的なコミュニケーションをとることを可能にし、介護現場などにおけるアンドロイドの活用といった社会応用につながると期待できます。これまで、ヒトの表情筋の動きを精緻に再現し、その妥当性を心理実験で厳密に検証した例はありませんでした。
1200農業一般

AIが明らかにする育種家の感性〜育種家は何を感じてカンキツの剥皮性と果実硬度を評価するのか〜

カンキツの果実断面の画像から、果実の形態的な特徴を定量的かつ自動的に評価する技術を開発しました。この技術と機械学習の手法を組み合わせることで、これまでブラックボックスとされてきた育種家の感性を紐解き、カンキツの剥皮性と果実硬度に強く関連する果実の形態的な特徴を明らかにすることができました。
1701物理及び化学

宇宙はじめの凸凹(でこぼこ)はなぜ対称に作られたか?

初期宇宙のインフレーション膨張の際できた密度の凸凹は、凸部と凹部が高い精度で同量対称にできなければならないことを理論的に示した。密度ゆらぎ形成を場の量子論に基づいて解析した結果、凸部と凹部の分布が高い精度で対称でない限り、ゆらぎの振幅が観測から大きくズレてしまうことを見いだした。
1702地球物理及び地球化学

水には2種類の液体があった !~トレハロース水溶液の可逆な液体 – 液体転移の直接観測~

トレハロース水溶液の低温・高圧下での体積測定を行い、溶媒水の可逆な液体 - 液体転移の直接観測に成功しました。低濃度トレハロース水溶液ガラスを用いることで、広い温度・圧力領域での低密度状態と高密度状態間の転移の観測を可能にし、低密度と高密度の液体状態の存在の実証とそれらの間の転移の直接観測に成功しました。水には低温で異なる2つの液体状態が存在することの実験的証拠であり、水の低温での不思議な性質の解明に繋がることが期待されます。
1702地球物理及び地球化学

津波による堆積物を特定する手法の適用範囲をさらに拡大

宮崎平野から採取した過去の津波堆積物の化学的な組成から判別を行う地球化学的判別を行いました。これに加え重鉱物の分析を行い、1662年の寛文日向灘地震による津波堆積物の特徴を明らかにすることで、他の堆積物と区別することに成功しました。
1700応用理学一般

世界初の原子分解能電子顕微鏡で磁力の起源をとらえた

新開発の原子分解能磁場フリー電子顕微鏡(MARS)を用いて、磁石(磁力)の起源である原子磁場の直接観察に世界で初めて成功しました。
1700応用理学一般

KAGRAの環境モニターが捉えたトンガの海底火山噴火

大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)周囲の地面の振動や音といった環境に起因する雑音を監視して重力波信号と区別するため、KAGRAの地下実験施設や神岡地上では、地震計や気圧計、空振計、磁力計など、多種多様なセンサーが動いています。2022年1月15日13時14分45秒(日本時)、南太平洋の島国・トンガに属する海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ」が噴火し、甚大な被害を現地にもたらしました。この噴火に起因する振動が、KAGRAの環境モニターでも検出されたのです。地上だけでなくKAGRAが設置されている地下トンネルでも明瞭に確認されました。
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