2021-12-17 京都大学
京都大学アイセムスのシバニア・イーサン教授、べナム・ガリ特定准教授、杉本邦久特定准教授(兼 高輝度光科学研究センター 主幹研究員)、量子科学技術研究開発機構量子生命・医学部門量子生命科学研究所の五十嵐龍治グループリーダーらの研究グループは、酸化グラフェン(GO)膜にナノダイヤモンド(ND)を組み込むことで、水素のみを透過させる物理的なフィルターの機能を保ちながら、最大の課題であった耐湿性を著しく向上させることに成功し、実用化に向けて大きく前進しました。本研究成果は、12月17日に英国科学誌Nature Energyに掲載されました。
本研究で開発した水素分離膜を抽象的に表現したようなアート作品。黒い層からは酸化グラフェンシート、白い点からはナノダイヤモンドがイメージされる。ナノダイヤモンドが酸化グラフェンシート内の静電反発を抑え込むことで、湿度の高い環境でも水素を分離することが可能になった。(Yasuhiro Chida(Brocken 5)、Toru Tsuji(写真))
書誌情報
論文タイトル:“Overcoming humidity-induced catastrophic swelling of graphene oxide-based hydrogen membranes using charge-compensating nanodiamonds”
著者:Guoji Huang, Behnam Ghalei, Ali Pournaghshband Isfahani, H. Enis Karahan, Daiki Terada, Detao Qin, Conger Li, Masahiko Tsujimoto, Daisuke Yamaguchi, Kunihisa Sugimoto, Ryuji Igarashi, Bor Kae Chang, Tao Li, Masahiro Shirakawa, Easan Sivaniah