2021-11-19 株式会社リコー
株式会社リコー(社長執行役員:山下 良則)は、プラスチック容器に直接文字やデザインをレーザーマーキングする技術を開発し、第一弾として、アサヒ飲料株式会社(社長:米女 太一)が12月21日からAmazon.co.jpで1,200箱限定のテスト販売を行う「『アサヒ 十六茶』PET630ml ダイレクトマーキングボトル」に採用されました。シュリンクラベルやタックシールなどを使わずに、商品名や原材料名などをペットボトルにレーザーで直接書き込むことで、食品表示法などで規定された情報表示を完全ラベルレスで実現します。
リコーは重要社会課題(マテリアリティ)の一つに「循環型社会の実現」を掲げています。本技術の活用により、ペットボトル飲料などのラベルやシールといったプラスチックごみ(プラごみ)を削減すると同時に、分別時の手間を省くことで、プラスチック容器の効率的な資源リサイクルへの貢献を目指します。
「Driving Sustainability for Our Future. ~持続可能な社会を、ビジネスの力で。」リコーは今後も、事業を通じた社会課題の解決に取り組み、世の中の役に立つ新しい価値を提供してまいります。
アサヒ飲料株式会社の「『アサヒ 十六茶』PET630ml ダイレクトマーキングボトル」に
商品名や食品表示法などで規定された情報を高精細に書き込み
背景
循環型社会の実現に向け、省資源化やリサイクルのさらなる推進が課題になっています。飲料などのペットボトルに巻き付けているシュリンクラベルはPET素材ではないため、リサイクルする際にははがして分別する必要があります。省資源化やリサイクル時の手間削減のため、ラベルレスの状態で販売される商品も登場していますが、製品情報などの記載が必要なため、ケース単位での販売やタックシールを貼り付けるなどの対応が必要となっています。
提供価値
- シュリンクラベルやタックシールなどが不要な完全ラベルレス化を実現し、省資源化および廃棄物による環境汚染の低減に貢献
- プラスチック容器への直接レーザーマーキングで、消費者に提供する情報の記載とリサイクルの手間削減による循環型社会への貢献を両立
技術の特徴
- 光学技術ペットボトルのごく表面のみ(数十ミクロン)の加工にとどめることで、ペットボトルの品質に影響をあたえずに描画
- レーザー制御技術細かい描画ができるため、成分表示などの小さな文字(約6pt)から、ロゴマークやイラストに至るまで幅広く表現
- 描画プロセス技術描画部分がより白く見えるように光の散乱状態をコントロールすることで、視認性の高い表示が可能
技術の詳細
透明樹脂へのレーザーマーキング
背景
世界的にプラスチックごみが問題になっており、国が策定したプラスチック資源循環戦略の中で、「2035年までに使用済プラスチックを100%リユース・リサイクル等により、有効利用」とのマイルストーンが示され、ペットボトルにおいても循環型リサイクルによる再資源化(ボトル to ボトル)が進められています。
ペットボトルをリサイクルするためには、PET(ポリエチレンテレフタレート)というプラスチックでできている本体とPET以外のプラスチックでできているラベルを分ける必要があるため、本体からラベルを剥がさないといけません。
ラベルをなくすことができれば、ラベルを剥がす手間も、プラスチックごみもなくなりますが、ペットボトルには表記が必要な情報があるため、ラベルをなくすためにはラベル以外の方法でペットボトル本体に必要な情報を表記する必要があります。
しかし、品質の高いリサイクルを実施するために、PETボトルリサイクル推進協議会のガイドラインでは、インクなどPET以外の物質でペットボトル本体に直接印刷することは禁止されています。
こんな事を解決
レーザーを使ってペットボトルに直接小さな加工をすることで、インクなどのPET以外の付与物をつけることなく必要な情報を表現することができます。
これにより、ラベルが不要になり、ラベルごみ削減ができます。
ペットボトルを利用する消費者はラベルを剥がす手間がなくなり、分別が楽になるためリサイクル率向上が図れます。飲料品メーカーはラベルを印刷するコストが削減できるうえ、環境へ配慮した商品による環境対応が可能です。ペットボトルのリサイクル業者は分別作業者の負担および人件費軽減となります。これにより、消費者・メーカー・リサイクル業者による循環型リサイクルの促進が期待できます。
技術の特徴
リコーはレーザーを使って、ペットボトルに加工を施すことで、文字やデザインを描く技術を開発しました。
1. 光学技術
ペットボトルのごく表面のみ(数十ミクロン)の加工にとどめることで、ペットボトルの品質に影響をあたえずに描画することが可能です。
2. レーザー制御技術
細かい描画ができるため、成分表示などの小さな文字(約6pt)から、ロゴマークやイラストに至るまで表現できます。
3. 描画プロセス技術
描画部分がより白く見えるように光の散乱状態をコントロールすることで、視認性の高い表示が可能となります。