やわらかい人工筋肉のダイナミクスを用いた高精度センサーの生成

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2020-05-15 東京大学

1.発表者:
中嶋 浩平(東京大学 大学院情報理工学系研究科 情報理工学教育研究センター・
連携研究機構 次世代知能科学研究センター 准教授)
國吉 康夫(東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 教授/
連携研究機構 次世代知能科学研究センター センター長)
南 友菜(東京大学 大学院情報理工学系研究科 先端人工知能学教育寄付講座
学術支援専門職員)
明石 望洋(東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 博士課程 2 年生)

2.発表のポイント:
◆空気圧アクチュエータに基づいた人工筋肉に関して、加圧駆動時にリアルタイムで高精度な
長さ推定を実現しました。具体的には、人工筋肉のダイナミクスとリザバーコンピューティ
ング(注1)と呼ばれる機械学習手法を組み合わせて実現されました。
◆人工筋肉は、アクチュエートすると、一般に非線形ならびにヒステリシス(注2)を伴う応
答を示し、固有の制御が必要な為、これまで人工筋肉の長さの推定には、外付けのレーザー
変位計などを取り付け、計測するのが一般的でした。本研究では、人工筋肉に加える圧力と
その結果として得られるゴム材質の抵抗値を用いることで、レーザー変位計の出力をリザバ
ーコンピューティングに基づいた機械学習機にエミュレート(注3)させることが可能であ
ることが示されました。
◆本研究で提案したスキームは、やわらかいデバイスから既存の堅いセンサーなどの装置を取
り外すことができる可能性を示しており、やわらかいデバイスの柔軟性向上のための重要な
一歩と考えられ、壊れやすいものならびに人体との接触が必要となる局面(医療デバイスや
レスキューロボ等)等に於いて、効果的な威力を発揮するものと考えられます。

3.発表概要:
近年、やわらかいデバイスの開発が世界的に進められています。デバイス自体がやわらかい
ため、人や物にダメージを与えないということから医療用デバイスやレスキューロボあるいは
ウェアラブルデバイスとしての応用に注目が集まっています。一方で、やわらかいデバイスを
うまく制御するには、まだまだ既存の堅い機器に頼らざるを得ない部分があるのが現状です 。
今回、東京大学次世代知能科学研究センター(AI センター)の中嶋浩平准教授らと株式会社
ブリヂストンのチームは、空気圧アクチュエータに基づいた人工筋肉に着目し、人工筋肉のや
わらかさに起因するダイナミクスとリザバーコンピューティングと呼ばれる機械学習手法を組
み合わせることで、人工筋肉を加圧駆動時にリアルタイムで高精度の長さ推定が実現できるこ
とを示しました。人工筋肉は、アクチュエートすると、一般に非線形ならびにヒステリシスを
伴う応答を示し、扱いがきわめて難しいので、これまで人工筋肉の長さの推定には、レーザー
変位計などを取り付け、計測するのが一般でした。本研究で提案したスキームは、やわらかい
デバイスから既存の堅いセンサーなどの装置を取り外すことができる可能性を示しており、や
わらかいデバイスの柔軟性向上のための重要な一歩と考えられます。

詳しい資料は≫
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