星降るマウナケアの空をライブで配信中

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2021-07-28 国立天文台

「星空カメラ」によるマウナケアの星空「星空カメラ」によるマウナケアの星空。ケックⅠの上にはおうし座のヒアデス星団とすばる(プレアデス星団)が昇っている。すばるの右上に見えるのは流星の軌跡。東の空では薄明が始まろうとしている。2021年7月13日 午前4時27分(ハワイ現地時間)(クレジット:国立天文台ハワイ観測所・朝日新聞) オリジナルサイズ(666KB)

ハワイ島マウナケアの空をライブ配信

ハワイ島マウナケア。世界でも類を見ない天体観測の好適地で、その山頂域では第一線の研究観測が行われています。国立天文台のすばる望遠鏡もその一つで、毎夜そのまなざしを遠い宇宙へと向けています。

この世界屈指とされるマウナケアの星空を、自宅に居ながらにしてリアルタイムで見ることができます。すばる望遠鏡の建屋に設置された「星空カメラ」が映し出すマウナケアの空が、24時間ライブ配信されているのです。国立天文台ハワイ観測所と朝日新聞との協力によるこの「星空カメラ」によるライブ配信は、YouTube朝日新聞宇宙部チャンネルを介して、2021年4月に試験運用をスタートしました。

マウナケアの星降る夜

日本とハワイとの時差はマイナス19時間。たとえば、日本の午後3時頃に、仕事の休憩がてらこのチャンネルをのぞいてみると――ハワイは前日の午後8時。7月下旬なら、日の入りから1時間ほどたった空に明るい星が見え始め、その下では着々と観測の準備が進められている頃です。目の前に見える2つの大きなドームは、W.M.ケック天文台(手前がケックⅠ、奥がケックⅡ)です。本格的に観測が始まる頃には、ケック天文台から放たれるレーザー光線が見えることがあります。

やがて薄明が終わると、月明かりのない夜にはまさに降るような星空が広がり、東の方角を向いた「星空カメラ」には、無数の星々がつくる天の川と夏の大三角が映し出されます。画面の上の星空とはいえ、未明の空を横切る流れ星を目にしたときは思わず歓声を上げてしまいます。

5月の皆既月食でブレイク

2021年5月26日夜には既月食が起こりました。日本全国で見られる好条件ながら、あいにくの天候のためそのようすを見ることができなかった地域も多かったようです。

この皆既月食は、ハワイ現地時間で25日深夜から26日未明というよい条件で見られ、「星空カメラ」でもそのようすがみごとに捉えられました。満月に照らされた明るい夜空は、月食が進むにつれて少しずつ暗さを取り戻し、皆既食と同時に広がった満天の星と天の川は、得も言われぬ美しさでした。国立天文台三鷹キャンパスからのライブ配信は、残念ながら雲に阻まれましたが、このマウナケアのすばらしい皆既月食のようすを皆さんにお伝えすることができたのは幸運でした。

このアーカイブ映像は、すばる望遠鏡ウェブサイトで見ることができます。

2021年5月25日深夜から26日未明(ハワイ現地時間)に見られた皆既月食。(YouTube朝日新聞宇宙部チャンネルより)

ペルセウス座流星群に期待

このマウナケアの「星空カメラ」に期待したいのが、ペルセウス座流星群です。今年のペルセウス座流星群の活動の極大は、日本時間の8月13日午前4時頃と予想されています。月明かりの影響もなく、日本では12日深夜から13日の夜明け前まで、たいへんよい条件で多くの流星が見られそうです。

ハワイでは流星群の活動の極大は昼間にあたりますが、現地時間の12日未明、日本時間の12日夜には、「星空カメラ」が映し出すマウナケアの夜空にペルセウス座流星群の流れ星が飛び交っていることでしょう。あなたの自宅近くのお天気が悪くても、マウナケアでは満天の星が広がっているかもしれません。そして、日本で日付が変わる頃、マウナケアの東の空は美しい夜明けの色に染まっていくのです。

コロナ禍で遠出をするのがはばかられるこの夏は、海の向こうのハワイ島マウナケアの夜空に思いをはせてはいかがでしょうか。

マウナケアの美しい夜明け。マウナケアの美しい夜明け。2021年7月13日 午前4時54分(ハワイ現地時間)(クレジット:国立天文台ハワイ観測所・朝日新聞)オリジナルサイズ(315KB)

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