有機マイクロ球体から発生する円偏光発光の角度依存性を実証

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2021-06-08 筑波大学,科学技術振興機構

円偏光発光(Circularly Polarized Luminescence,CPL)は、偏光面が右または左回りに回転しながら伝搬するキラル(鏡像異性)な光が生じる現象で、立体視デバイスや量子コンピューターへの応用が期待されています。分子や分子集合体から発生するCPLには角度依存性があることが長らく予測されてきましたが、実証はされていませんでした。

今回、本研究グループは、キラルな側鎖を持つπ共役ポリマーの自己組織化により、巨大な非対称強度でCPLを示す有機マイクロ球体を作製することに成功しました。また、このマイクロ球体は、外形は等方的な球体形状であるにも関わらず、内部に、ねじれ双極型配向と呼ばれる異方的ならせん分子配向が形成していることを見いだしました。さらに、マイクロ球体1粒子の角度分解CPLを計測した結果、分子配向方向に対するCPLの角度依存性の実験的な実証に成功しました。

本研究は、次世代型の光技術に有用な異方性円偏光発光マイクロ素子の開発につながるとともに、キラルな光物質相互作用やトポロジカル欠陥の学理を調査するための理想的な研究対象となることが期待されます。

本研究成果は2021年6月4日(日本時間)に「Journal of the American Chemical Society」に掲載されました。

本研究は、科学技術振興機構(JST) CREST 「自己組織化トポロジカル有機マイクロ共振器の開発」(研究代表者:山本 洋平(JPMJCR20T4))、ACT-X「細胞トラッキングのための生体適合性レーザー発振子の開発(研究者:山岸 洋(JPMJAX201J))、日本学術振興会 科研費補助金 基盤研究A「光機能性ポリマー球体の高次連結による光学メタマテリアルの開発」(研究代表者:山本 洋平(JP16H02081))、新学術領域研究 π造形科学「様々な励起プロセスを介したπ電子球体への発光閉じ込めと共鳴発光の変調」(研究代表者:山本 洋平(JP17H05142))、2国間共同研究「Electrically driven semiconducting polymer whispering gallery mode lasers and its applications in nanooptics」(研究代表者:山本 洋平(BBD30033)、Jer-Shing Huang(57402047))、特別研究員奨励費「自己集合化π共役ポリマー球体を利用した電界発光WGM光共振器の開発」(研究代表者:大木 理(JP19J20398))などによる支援を受けて行われた。

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Robust Angular Anisotropy of Circularly Polarized Luminescence from a Single Twisted-bipolar Polymeric Microsphere”
DOI:10.1021/jacs.1c03185
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
山本 洋平(ヤマモト ヨウヘイ)
筑波大学 数理物質系 教授

<JST事業に関すること>
嶋林 ゆう子(シマバヤシ ユウコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ

<報道担当>
筑波大学 広報室
科学技術振興機構 広報課

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