多用途なロボティックファブリック開発のブレイクスルー

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(Robotic Fabric: A Breakthrough with Many Uses)

2020/9/29 アメリカ合衆国・イェール大学

・ イェール大学が、適応自在な衣類や自己展開型シェルター、形状が変化する軽量な機械装置等のイノベーションが期待できるロボティックファブリック(布地)を開発。
・ 布地の柔軟性、通気性や小面積収納や軽量性等の利便性を維持しながら、アクチュエーション、センシングおよび可変剛性ファイバーの機能を提供。平坦な布地から立体的で耐荷重性の構造体への変化や、ウェアラブルロボティック止血帯、格納・展開する布製の翼を備えた小型飛行機を実証した。
・ 可変剛性ファイバーの設計では、エポキシ樹脂に比較的低温度で液体化する合金であるフィールズメタルの粒子を埋め込むといったように、機能性材料の優れた特性を維持したファイバーの作製に重点を置いた。
・ 同可変子剛性ファイバーは、温度が上がると液体化してゴムのように柔らかくなり、低温度ではメタル粒子が固体化して硬性アクリル樹脂のように硬くなる。同ファイバーを布地に織り込むことで、柔らかさと硬さをオンデマンドで切り替える骨組みを布地に付与する。ロボティックファブリックとして折り曲げ、捻り、その後に形状を固定したり、一般的な布地では不可能な荷重を支える。
・ センサー機能の付加には、布地に直接書き込める、ピッカリングエマルジョン(インクの粘性を低減すると共に無毒性の溶剤の利用を可能にする)をベースとした導電性インクを作製。導電性の複合材が布地の繊維毎に自己凝固するが、通気性を維持する。
・ アクチュエーション機能の付加には、形状記憶合金(SMA)ワイヤを利用。SMA ワイヤは、コイルまたはメッシュの形状にプログラムすることで収縮させることが可能だが、不意に布地にひだが寄ることもあり、あまり好ましくない。そのため、ワイヤを平坦化してリボンにし、滑らかな動きにより適した形状を作製した。
・ これらのロボティックファブリックのアプリケーションとして、展開型・適応自在な構造体、アクティブコンプレッションウェア、スマートな荷物固定ネットやリコンフィギュラブル RF アンテナ等を想定。ファブリックは多様な製品に利用されるユビキタスな材料であり、これらの製品の一部を「ロボット化」する技術は様々な可能性を拓くものと考える。
・ 本研究には、米国空軍研究所(AFOSR)が資金を提供した。
URL: https://seas.yale.edu/news-events/news/robotic-fabric-breakthrough-many-uses
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<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

米国科学アカデミー紀要(PNAS)掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Roboticizing fabric by integrating functional fibers
URL: https://www.pnas.org/content/early/2020/09/22/2006211117

Abstract

Fabrics are ubiquitous materials that have conventionally been passive assemblies of interlacing, inactive fibers. However, the recent emergence of active fibers with actuation, sensing, and structural capabilities provides the opportunity to impart robotic function into fabric substrates. Here we present an implementation of robotic fabrics by integrating functional fibers into conventional fabrics using typical textile manufacturing techniques. We introduce a set of actuating and variable-stiffness fibers, as well as printable in-fabric sensors, which allows for robotic closed-loop control of everyday fabrics while remaining lightweight and maintaining breathability. Finally, we demonstrate the utility of robotic fabrics through their application to an active wearable tourniquet, a transforming and load-bearing deployable structure, and an untethered, self-stowing airfoil.

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