巡回型インフラモニタリングシステムを開発

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国家戦略特区を活用した、無線給電による社会実証実験を開始

2020-10-16 京都大学

篠原真毅 生存圏研究所教授らの研究グループは、ミネベアミツミ株式会社と共同で、トンネルなどの社会インフラ構造物を効率よく点検できる、巡回型のインフラモニタリングシステムを開発しました。本システムは、マイクロ波無線送電技術によって、走行車両から電池レスセンサーに送電しながら、リアルタイムにセンシング情報を回収することが可能です。

老朽化や劣化が進んでいる社会インフラ構造物の維持管理においては、マンパワーによる従来型の点検手法にかわり、人工知能などを活用した効率的な点検を行うための技術開発が進められています。

本研究グループはこれまでに、マイクロ波無線送電技術を開発し、電動車両向けのワイヤレス給電や、電池レスセンサーへのワイヤレス給電といった社会実証実験を行い、ワイヤレス給電の実用化に向けての取り組みを進めてきました。

本研究で開発されたシステムは、「マイクロ波無線送電」、「高速画像信号処理」およびボルトの緩みを直接検出する「電池レスボルト軸力センサー」の要素技術を結集したものです。マイクロ波無線送電技術は送電効率が重要となるため、本システムでは、48素子から構成される平面アンテナによってマイクロ波をビーム状に成形して放射するなど、エネルギー伝送効率を高める工夫をしています。また、受電側の電池レスボルト軸力センサーも、小型・高感度で超低消費電力タイプの装置を採用し、システム全体として電力収支最適化に成功しました。

本システムを活用することで、交通規制をかけることなく、一般車両に混ざってトンネルなどを走行しながら、インフラ構造物の大域を効率的かつ経済的に点検することが可能になると期待されます。

本研究成果について、2020年10月19日から24日の5日間、国家戦略特別区域制度を活用して、京都府宮津市の地蔵トンネル避難坑で実証実験が開始されます。

図:無線送電システムイメージ

詳しい研究内容≫

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0108交通物流機械及び建設機械0402電気応用
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