アルマ望遠鏡、渦巻き模様の惑星誕生現場を撮影

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2020-08-04 国立天文台

アルマ望遠鏡が、若い星おおかみ座RU星を取り巻くガスと塵の円盤を観測し、その複雑な姿を描き出しました。中心部には塵でできた同心円状のリング構造がある一方、外側にはガスでできた渦巻き模様が広がっていました。惑星が誕生する現場は、想像以上に複雑でカオスな状態になっているのかもしれません。

太陽系の惑星も太陽系外惑星も、若い星のまわりにできるガスと塵の円盤「原始惑星系円盤」の中で生まれました。アルマ望遠鏡は、その高い解像度を活かして、これまでにたくさんの惑星誕生現場を撮影してきました。その多くは、同心円状のリングやすき間といった構造があり、まさに生まれつつある惑星がそこにある可能性を示しています。もっとも有名な例としては、おうし座HL星 や うみへび座TW星 の円盤が挙げられます。

しかし、すべての原始惑星系円盤がこれほど整った形をしているとは限りません。今回アルマ望遠鏡が観測した「おおかみ座RU星」(地球からの距離約520光年)は、ガスでできた立派な渦巻き腕を持っていることが明らかになりました。その大きさは、およそ1000天文単位(1天文単位は地球と太陽の間の平均距離で、約1億5000万キロメートル)にも及びます。この星の周囲に見つかっていた塵の円盤の大きさは60天文単位でしたから、これよりもずっと大きいことになります。

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アルマ望遠鏡が観測した、若い星おおかみ座RU星の周囲の原始惑星系円盤。左下は、星のすぐ近くを取り巻く塵の円盤で、リングやすき間が見えています。今回はより広い領域に広がるガスを観測し、巨大な渦巻き模様があることがわかりました。塵の円盤よりもガスの渦巻きが大きく広がっていることがわかります。

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), J. Huang and S. Andrews; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

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アルマ望遠鏡が観測した、若い星おおかみ座RU星を取り巻くガスの円盤。渦巻き模様の構造は1000天文単位の大きさにまで広がっています。

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), J. Huang; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

おおかみ座RU星は、これまでにもアルマ望遠鏡で観測されていました。DSHARP と名付けられたプロジェクトでは、この星を取り巻く塵の円盤にリング模様があることが明らかになっています。これは、円盤内に今まさに形成途中の惑星がある可能性を示しています。

「私たちは、円盤の外側にかすかに一酸化炭素分子ガスが広がっていることに気づきました。そこで、今回は塵ではなくガスの分布に注目することにしたのです。」と、今回の研究論文の筆頭著者であるジェーン・ファン氏(ハーバード・スミソニアン天体物理学センター)はコメントしています。

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