2018/12/20 環境省
外来生物法に基づき特定外来生物に指定されているツマアカスズメバチが平成30 年10 月11 日に大分県大分市で初めて確認されたことを受け、環境省では生息状況等緊急調査を行うとともに駆除した巣の分析を実施してきました。この度、調査結果がとりまとまりましたので、お知らせいたします。調査の結果、ツマアカスズメバチの新たな巣や個体は確認されませんでした。
1.大分市におけるツマアカスズメバチの初確認の経緯
平成30 年10 月8日に大分市明野地区の私有地においてスズメバチの巣が発見され、10 月9日に駆除されました。専門家による種の同定の結果、10 月11 日に同スズメバチがツマアカスズメバチであることが確認されました。
※詳細については、平成30 年10 月11 日付の報道発表資料を御参照ください。
平成30 年10 月11 日(木)発表
「大分県大分市におけるツマアカスズメバチの確認について」
http://www.env.go.jp/press/106070.html
2.生息状況調査の概要
平成30 年10 月27 日から11 月30 日にかけ、営巣確認地点の周辺及び国際航路のある大分港大在コンテナターミナルの周辺を中心に、公園や緑地、樹林地等、ツマアカスズメバチの営巣の可能性がある場所に約500 個のトラップを2 回設置しました。また、同期間中、同様の範囲において巣の探索調査をあわせて行いました。これらの調査の結果、ツマアカスズメバチの新たな巣や個体は確認されませんでした。
3.駆除された巣の状況
10 月9日に駆除された巣を解体して分析したところ、巣内で多数の幼虫、蛹、成虫が確認されましたが、巣が成長していく段階にあり、繁殖にかかわる新女王バチが生まれる段階には至っていなかったと考えられます。このことから、繁殖にかかわる新女王バチがこの巣から周囲に分散した可能性は低いとみられます。
4.今後の対応
ツマアカスズメバチは、高い繁殖力と分布拡大能力から、一旦定着すれば根絶することは困難となるため、侵入状況を監視し、早期発見、早期駆除することで定着前に根絶を図ることが極めて重要です。平成31 年度においても、環境省では引き続き関係機関と連携しながら営巣確認地点周辺におけるツマアカスズメバチのモニタリングを行うとともに、巣や個体が確認された場合には速やかに駆除を行う予定です。また、環境省では、ツマアカスズメバチの定着が確認されている釜山港(韓国)等との船舶の往来がある九州の各港湾周辺におけるツマアカスズメバチの侵入状況調査を平成26 年度より実施しており、今後も継続して実施する予定です。
5.住民の皆様へ
ツマアカスズメバチは生態系等に悪影響を及ぼすため、侵入に警戒する必要があります。早期発見、早期駆除のため、大分県内においてツマアカスズメバチと疑われる個体や巣を確認された場合は、大分県自然保護推進室、大分市環境対策課、又は九州地方環境事務所までご連絡いただき、情報提供に御協力のほどよろしくお願いします。
6.情報提供のお願い
九州地方に限らず、ツマアカスズメバチの定着が確認されている地域(韓国・釜山港等)と船舶の往来がある港湾等においては、ツマアカスズメバチの侵入のリスクがあります。大分市内で初めてツマアカスズメバチが確認された今回の事例では、駆除業者の方からの迅速な通報により、早期に対策を実施することができました。地方自治体や駆除業者の方々におかれましても、ツマアカスズメバチと思われる個体が発見された場合には、管轄区域の環境省地方環境事務所に御連絡ください。
(参考)環境省地方環境事務所
http://www.env.go.jp/region/index.html
設置したトラップ
営巣探索地域の例(大分市高尾山自然公園)
駆除された巣
巣内で確認された幼虫、蛹、成虫
営巣確認地点(大分県大分市明野地区)
- 連絡先
- 環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
野生生物課外来生物対策室
室 長 北橋 義明
室長補佐 八元 綾
係 長 知識 寛之 - 九州地方環境事務所野生生物課
課長 鑪 雅哉
自然保護官 勝本 哲也
担当 橋口 峻也